効果
まもる は使用ターン中のあらゆる技のダメージと状態変化のほぼすべてを完全無効化する。全体技も含めて通らない。先制技は +4 で、ほぼすべての技より先に発動し、大半の先制技すら上回る。連続使用すると成功率が指数的に落ちる——1回目は確定成功、2回目 50%、3回目 25%。経験のある相手なら連続使用を読んでギャンブルを仕掛けてくる。
数字で価値を確認しておこう。
ダブルで最もよくある場面:パートナーが ハバタクカミ、素早さ種族値 135、能力ポイントを最大にすると実数値は約 167。このターン、素早さ関係がどうなるか判断しきれない。では ハバタクカミ に被弾させるのではなく まもる を選ぶ——パートナーがこのターン相手を 1 体処理し、次のターン ハバタクカミ は 1 対 1 の状況を迎える。読みもいらない。「無駄にした」1 ターンが確定の撃破に変わる。その計算は高確率でペイする。
場のタイマーでもっと分かりやすい例を出す。おいかぜは 4 ターン続き、双方の素早さを 2 倍にする。おいかぜが残り 1 ターンなら、まもる を使えばそのターンにダメージを受けずにタイマーを消化でき、次のターンから素早さ比較が通常に戻る。相手はおいかぜ展開にリソースを使ったのに、まもる 1 手でその最終恩恵を無効化できる。やけどのスリップも同じ発想——やけどは毎ターン最大 HP の 1/16 を削る。もうどく系は N ターン目に N/16 の蓄積ダメージになる。ここで まもる を 1 ターン余分に挟めば、相手が見えていなかった瀕死ラインを越えさせられる局面がある。
採用するポケモン
ダブルの主要アタッカーはほぼ全員候補に入るが、特に外せないのは以下のタイプだ。
コントロール補助型:ガオガエン はダブルのほぼすべての構築で まもる を採用する。理由ははっきりしている——こいつの価値は登場時に いかく を発動して攻撃を下げることであり、直接ダメージを出すことではない。相手はその脅威を除去しようと集中攻撃してくる。まもる でそのターンを吸収し、パートナーを自由に動かし、ガオガエン を引いて再登場させてまた いかく を踏む。それを繰り返す。オーロンゲ も同じ発想——リフレクター / ひかりのかべ を貼ったあとは集中砲火の的になる。まもる でスクリーンの恩恵が出るターンまで生き残る。
低速大火力型:サーフゴー の素早さ種族値は 84 で、ダブルでは後攻になりやすい。こいつが爆発できる前提はパートナーが邪魔者を処理してくれること。定石の流れは:1 ターン目に サーフゴー が まもる、パートナーが 1 体倒す。2 ターン目に サーフゴー が妨害なしで動く。なお ゴールドラッシュ はダブルで複数を巻き込むと 1 体あたり ×0.75 になるため、先に 1 体倒してから単体に全力を叩き込む方がトータルダメージは高い。ポリゴンZ も同じ動きをする。
Mega 進化体:メガストーン を持ったポケモンは ゼンブイリング の処理で行動ターンの最初に変化する。相手は変化が確定している Mega ターンに集中砲火を仕掛けてくることが多い。そのターンに まもる を選んでも変化は完了する。パートナーがそのターンをカバーし、次のターンから新しいステータスで動き出せる。時間を形態変化に換える基本的な書き方だ。
シングル耐久型:たべのこし は毎ターン最大 HP の 1/16 を回復する。耐久型のポケモンが まもる を使えば無償で回復が入り、相手の技を確認でき、両方をノーダメージで得られる。やどりぎのタネや毒の構築なら、ターンを稼ぐほどスリップダメージが積み重なる。
使い方
ねこだまし読みの まもる:相手の先発に ねこだまし の脅威がある場合——ガオガエン、ペルシアン など。自分の低速コアがひるまされて行動権を失う。対策はシンプルで、低速のポケモンが まもる を選び、もう 1 体が自由に動く。相手のねこだましは まもる に当たり、1 ターンを無駄にした上に何も止められない。これがダブルにおける まもる の基礎用法だ。ねこだましが来る可能性があるマッチアップでは体に染み込ませておく。
パートナー処理待ちからの展開:次のターンに打ちたい技があるが、相手の 1 体がそれを邪魔する状況——フェアリータイプが壁になっている、自分より速い脅威が先に動く、何でもいい。このターンは まもる、パートナーにその邪魔者を処理させる。次のターンにクリーンに動く。判断ツリーはシンプル:「今この瞬間に有効な行動が取れるか?」取れなければ まもる でパートナーに条件を整えさせる。取れるなら攻撃する。
おいかぜ最終ターンの凌ぎ方:相手のおいかぜが切れかけている。自分の先発はこのターン遅い。無理に動いても先に被弾してしまう。まもる で凌げばおいかぜが切れ、次のターンには素早さが通常に戻る。覆せない速度差の中で動かされる圧力から解放される。
シングルでの偵察:交代してきた相手が何を使おうとしているか分からない。ここで適当に動くとポケモンを失うリスクがある。まもる で 1 ターン見れば相手の技が分かり、コストはせいぜい相手側の たべのこし 回復 1 回分だ。得られた情報はほぼ確実にそのターンの損失を上回る。特にお互いの構築がまだ読まれていない序盤は顕著だ。
連続使用はしない:2 回連続で まもる を選んだとき成功率は 50% しかない。読んでいる上手い相手は強力な技を選んでくる。失敗すれば防御行動ゼロの状態でフルパワーの一撃を受ける——最悪の結果だ。まもる を使うたびに、次のターン攻撃するか、交代するか、もう一度使うかを能動的に判断する。惰性で繰り返すな。
コツと戦術
初心者の典型的なミス:自分のおいかぜ中に Protect を乱用する
ダブル初心者はおいかぜを展開したあと、「様子を見よう」と数ターン続けて まもる を選ぶことが多い。問題はおいかぜが 4 ターンしかないことだ。1 ターン目で展開し、2〜3 ターン目を まもる で観望すれば、実際に動けるのは残り 1 ターンしかない。正しい動き方は積極的に——おいかぜが立ったら素早いポケモンですぐ圧力をかけ、まもる は ねこだまし の脅威があるターンかパートナーの処理を待つ必要があるターンだけに絞る。自分のおいかぜ中に安易に まもる を選ぶのは、相手においかぜを無効化するターンをタダでプレゼントしているのと同じだ。
フェイント が最大の天敵
フェイント は優先度 +2 で まもる を無視して命中する。ダブルではさらにそのターンの保護効果を剥がすため、他の技も通るようになる。相手の手持ちに フェイント 使用者——エテボース、マニューラ など——がいる場合、自分の まもる 読みはリスクの高い行動になる。相手のパーティを確認してから まもる が安全かどうかを判断する。
先行入力技は保護を貫通する
みらいよち と はめつのねがい は前のターンに発動を決定していて、着弾ターンには技として扱われない——そのため まもる 中でも命中する。シャドーダイブ と ゴーストダイブ も貫通する。これらは まもる で防げる話ではなく、構築段階かフィールドから降ろすことで対処する問題だ。
天候ダメージは通る
すなあらしとあられのスリップダメージは まもる 中も通常通り入る。悪天候の中で まもる を使って時間を稼ごうとすると、1 ターンごとに たべのこし 回復分からスリップ分を引いたネットのHP変化になり、たいていマイナスだ。悪天候下で まもる による粘りが本当に得になるか、実際の差分を計算してから判断する。
Champions のステータス確率について
Champions ではまひによる全停止確率は 12.5%(旧作の 25% ではない)、ねむりは最大 3 ターン、こおりは毎ターン 25% で解除される。「まもる で待って麻痺を引く」「眠りが切れるまで凌ぐ」という受動的な発想は、このルール下では能動的な行動と比べて明らかに見返りが低い。麻痺の爆発を転換点にするために まもる を設計するのはやめておけ——信頼できない確率のために回合を無駄にする価値はない。