効果
こらえる は使用ターン中、どんなダメージを受けても必ず 1 HP で耐える。優先度 +4 のため、ほぼすべての攻撃技より先に動く。絶対的な制約として、連続して使用した場合は 2 回目がほぼ必ず失敗する——実戦では失敗確定と見なし、2 連続使用を前提にしたプランは組むな。
「倒れない」こと自体が目的ではない。こらえる の本質は、以下の連鎖を正確に起動するトリガーだ。
ピンチ威力技の爆発。 じたばた と きしかいせい は 1 HP 時(HP ≤ 6.25%)に威力 200 の最高段階に達する。STAB ×1.5 を乗せると:攻撃種族値 110・能力ポイント フル振りの カビゴン が放つ おんがえし は満 HP 時の実効威力がおよそ 150 相当だが、じたばた は 1 HP 時に 200 基礎 × STAB で計算威力 300 相当になり、等倍以上の相手はほぼ確定で落とせる。
ピンチきのみの発動。 カムラのみ は HP ≤ 25% で素早さ +1 を自動発動する。素早さ種族値 100 を基準にすると、Lv50 フル振りで実数値約 145。+1 後は約 217 となり、未強化の素早さ種族値 130 帯(約 189)を抜けるが、こだわりスカーフ 持ちの素早さ 100 以上(約 283 等)には届かない。チイラのみ は攻撃 +1、イバンのみ は次ターンの行動優先度を +1 にする。いずれも HP ≤ 25% が条件——1 HP なら必ず満たす。
はらだいこ後の生存バッファ。 はらだいこ は HP を半分失う代わりに攻撃 +6 を得る。50% HP になった状態では相手の技で一撃突破されないことも多く、T2 で こらえる を挟んで耐え、+6 攻撃を T3 まで保持する動きが成立する。
きあいのタスキ も同じ「1 HP で耐える」効果を持つが使い切り。こらえる は技スロットを消費する代わりに道具スロットを空ける——スロット運用の違いであり、単純な上位互換ではない。
採用するポケモン
物理ピンチアタッカー——こらえる+きしかいせい/じたばた の核
カビゴン が最も典型的な採用例だ。基礎 HP 160 の耐久により、50% HP から相手に一撃突破される場面が読みやすい。T1 はらだいこ・T2 こらえる・T3 おんがえし または じたばた という三連が基本展開で、カビゴン のHPの厚さが 50% ラインを安定させている。
マリルリ は同骨格を異なる形で運用する。ちからもち で攻撃実数値が倍になるため、はらだいこ 後の火力はすでに壊滅的。アクアジェット の優先度 +1 で 1 HP 時でも先制して仕留められるため速度きのみは必須でなく、チイラのみ で攻撃をさらに積む構成や カムラのみ を持たせて安定を取る構成など柔軟に選択できる。
ニョロボン は格闘 STAB の範囲が広く、きしかいせい 200 威力で じたばた では突破しにくい相手を狩れる。水+格闘の複合で単一耐性による詰みが起きにくい。
素早さ操作系——カムラのみ 閾値突破
マルマイン は種族値 140 の超高速だが、素早さ 93 以上に こだわりスカーフ を持たせた相手に上を取られる。こらえる で カムラのみ を発動すれば ×1.5 後にスカーフ非持ちのほぼ全域を抜ける。クロバット も同様で、高い素の素早さと毒 STAB の圧力が加速後にさらに際立つ。
ダブル支援系——イバンのみ による優先度保証
サマヨール は耐久が極めて高く、イバンのみ 所持下で 1 HP になると次の行動優先度が +1 になる。これにより本来優先度 −7 の トリックルーム が他のほぼ全ての技より先に動く。詰め局面でのトリックルーム展開を保証する動きであり、こらえる はそのきのみ発動条件を整えるための一手だ。
ポリゴン2 も同じ構造で使う——イバンのみ が乗るまで生き延び、最後の トリックルーム または じこさいせい を保証して退場する。
採用不要なポケモン: がんじょう を持つ ツボツボ・ボスゴドラ・ゴローニャ 等はすでに同等の効果を内蔵している。こらえる を重ねるのは技スロットの無駄でしかない。
使い方
シングル(シングルバトル)基本三連:
T1 はらだいこ(攻撃 +6、HP 50% に)→ T2 こらえる(優先度 +4 で先行、被弾後 1 HP、カムラのみ 発動)→ T3 じたばた 威力 200 + STAB で締め。等倍以上ならほぼ確定一撃。
判断の核心は T2 だ。問うべきことは一つ:相手は 50% HP の自分を一撃で落とせる技を持っているか? 持っていないなら——相手がサイクル交代で耐久型を出してきた場合や、単純に火力が足りない場合——T2 の こらえる はターンを丸ごと捨てることになる。攻撃すべきだ。明確な KO 脅威がある時だけ こらえる に価値がある。
相手が T2 の こらえる を読んで突破できないポケモンに交代してきた場合も 1 ターン損。その場合でも T3 で攻撃またはピボットを選べるし +6 攻撃は残っているが、余分なターンを使ったことは変わらない。
ダブル(ダブルバトル)はロジックが全く異なる:
ダブルの拡散技は 1 体あたり ×0.75 のため、一撃突破されにくい状況が多く、こらえる のタイミング調整が難しい。主な使い道は イバンのみ 支援ライン——サマヨール や ポリゴン2 を こらえる で 1 HP まで耐えさせてきのみを起動し、次ターンの トリックルーム を優先度 +1 で保証する。
ダブルのアタッカーに対しては このゆびとまれ や いかりのこな でKO技をパートナーに誘導する方が こらえる より効率的なことが多い——アタッカーがターンを消費せずに済み、パートナーが残耐久または意図的な犠牲で吸収できる。
コツと戦術
初心者がやりがちなミス:KO 圏外なのにこらえるを使う。 最も多いエラーは、相手に一撃KO 技がないのに「念のため」と 50% 以上の HP で こらえる を打つことだ。1 ターンをただ献上し、相手は交代・積み・最適解の技選択に使える——自分は何も得ていない。正しい判断基準は「目の前の相手が明確に KO を取れる状態かどうか」。確認が必要なら確認を優先しろ。
連続使用は罠。 1 ターン目は成功する。2 ターン連続で使えばほぼ失敗する。「こらえるで 2 連続耐える」というプランは競技実戦では存在しない。
このギミックへの対策:
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ターン終了時のスリップダメージ(最も致命的な対策): やけどと毒によるダメージはターンの攻撃フェーズ終了後——つまり こらえる の保護が切れた後に発生する。相手の攻撃は耐えた、しかしやけどが 1 HP を削って即ひんし。こらえる は正常に機能しているのに結果的にやられる。やけどや猛毒を受けたポケモンでこの戦術は使えない。ラムのみ で状態異常を解除できるが、ピンチきのみとの二択になる点を構築段階で考慮しろ。
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連続技: ロックブラスト・ダブルアタック・タネマシンガン 等は各ヒットが独立して処理される。こらえる は 1 発目を耐えさせるが、2 発目が 1 HP に当たって即ひんし。連続技持ちと分かっている相手に こらえる は打つな。
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ちょうはつ: こらえる は変化技のため、ちょうはつ状態で完全封印される。相手が ちょうはつ を持っていれば展開ルート全体が根元から断たれる。別の脅威への交代か、セットアップターンの放棄かを迫られる。
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優先度技は こらえる 自体を止められない: マッハパンチ と バレットパンチ は優先度 +1。こらえる は +4 なので依然として先行し、そのターンの防御は成立する。優先度アタッカーからの脅威は「次のターン」——1 HP の状態でピンチ技やきのみ加速後の素早さが相手に追いつかれる場面だ。
素早さの計算は必ず事前に行え。 能力ポイント 上限 32 の環境では素早さ実数値は固定されている。カムラのみ の +1 素早さが、想定される報復手に対して上を取れるかどうかは構築段階で確認しなければならない。+1 後でも相手よりまだ遅い状況では、こらえる+サラサベリーラインの価値は大きく落ちる。そうなら チイラのみ に変更するか、別のプランに切り替えるのが正直な選択だ。