効果
じしん は物理の地面タイプの技で、威力100・命中100・追加効果なし。シングルでは単体に命中し、ダブルでは相手2体と自分の隣のポケモンを同時に巻き込む全体技となり、各ターゲットへのダメージは×0.75——実効威力は75になる。
数字で最も重要な点は、地面の同タイプ一致補正により威力100が実効150になるということだ。Lv50・能力ポイント 50を攻撃に振った ガブリアス(Lv50・性格補正なしで攻撃実数値はおよそ155)を例に取ると、じしん は等倍耐久の相手に対して軽く150ダメージを超える。さらに いのちのたま を持たせると(×1.3補正・使うたびにHPの1/10を消費)実効威力は195近くまで上がるが、毎ターン約19のHPを失う。相手があと1〜2ターンしか耐えられない状況なら十分割に合うトレードだが、長期戦ではその反動の蓄積がリスクになる。
じしん を採用する最大の理由はカバー範囲だ。鋼・炎・電気・岩・毒という5つのタイプに弱点をつける——この5タイプは対戦環境のパーティに大量に溢れており、特に鋼タイプはどこにでもいる。地面打点のない物理アタッカーは鋼タイプに何度も詰まることになるが、じしん 1枠でその問題を丸ごと解決できる。
ダブルの×0.75補正により相手1体への実ダメージは威力75相当になるが、相手2体が両方地面弱点なら合計ダメージは威力150の単体技に相当する価値が2体に分配される——1ターンのフィールド価値として非常に高い。
採用するポケモン
ガブリアス は教科書どおりの採用例だ。地面の同タイプ一致・種族値攻撃130・実効威力150の じしん。これはガブリアスにとって「カバー技」ではなく、メインウェポンそのものだ。パーティ全体がこの技を通すために設計される。
ランドロス(霊獣フォルム): 攻撃種族値145・地面の同タイプ一致・飛行タイプを持つため、ダブルでは自分の じしん を受けない——使用者自身がみかた巻き込み問題を構造的に回避できる稀なケースだ。
ガオガエン: 地面タイプは持たず、じしん は純粋なカバー技として採用する。持たない場合は相手の ジバコイル や ヒードラン を前に出られるだけで詰む。持っていればそのマッチアップがまるごとキル機会に変わる。攻撃種族値115で計算は十分に成立し、同タイプ一致技が届かない相手への穴を埋める。
メタグロス(メガシンカ後): メタグロスナイト を ゼンブイリング で発動させると攻撃種族値が135から145に上昇する。メガ進化前の じしん では削るだけだった相手を、メガ進化後は意味のある確率でKOできるようになる。よくある動きは、1〜2ターン目は別の行動でメガ進化を済ませ、メガ進化後の最初の じしん が計画していた試合の分岐点になるパターンだ。
ドリュウズ: 攻撃種族値135・鋼/地面の両タイプ一致・砂嵐下でスピードが2倍になる。Lv50・能力ポイント 50を素早さに振ったドリュウズの素早さ実数値はおよそ88で、すなかき 発動時は176まで上がり、実質的に補正なしの環境全体より速くなる。その状態での じしん は読み合いの技ではなく、先制KOツールになる。
ダブルで採用する前提:地面免疫のみかたが必ずパーティに入っていること。そうでなければみかたへのダメージが出力ゲインを相殺、あるいは上回る。
使い方
シングル: 判断はシンプルだ。相手が鋼・電気・炎・岩・毒タイプなら、素早さが上なら即打つ。素早さが下なら相手の攻撃を耐えられるか先に計算する。耐えるなら次のターンに打つ。耐えないなら交換か先制技。積みアタッカーを相手に「完璧なターンを待って」じしん を温存するのは悪手——無償で積みの機会を与えるだけだ。
ダブルの判断ツリー:
第一ステップ: みかたは地面免疫か?(飛行タイプ・ふゆう・ふうせん 所持のいずれか。)免疫なら自由に打てる。免疫でなければ次へ。
第二ステップ: 相手2体のうち何体が地面弱点か?両方弱点なら全体打ちの価値がみかたへのダメージを上回るので打つ。1体だけ弱点で、もう1体が等倍または無効なら、単体技を弱点の相手に集中させた方が合計ダメージが高く、みかたも巻き込まない。
第三ステップ: 相手に ふうせん 持ちがいるか?まず別の技で割る。定番の展開は、先発みかたが ねこだまし や接触技で1ターン目に気球を割り、アタッカーが2ターン目に じしん を通す流れだ。
そらをとぶ・はねるとの連携: みかたが そらをとぶ や とびはねる を使い、溜め中で場を離れているターンは じしん の対象にならない。「みかたが跳ぶ、アタッカーが踏む」という事前に決めたターン管理が必要だが、技スロットに余裕があるなら最もコストのかからないみかた巻き込み回避策だ。
コツと戦術
グラスフィールドでの半減——見落とされがちな最大の罠: グラスフィールド 中は じしん の威力が半減し、実効威力は100から50に落ちる(同タイプ一致があっても75止まり)。グラスフィールド展開パーティ相手では、切り札の地面技が威力50の攻撃に成り下がる。多くのプレイヤーはKOできると思っていた相手を倒せなくて初めて対戦中に気づく。構築段階で対策を固めること——地面に依存しない別の打点を用意するか、フィールドが切れたターンに打てるよう立ち回りを設計する。
よくあるミスの解剖: ダブルで相手2体が鋼タイプと見て じしん を打ったら、自分の ガオガエン も隣に立っていて威力75の地面ダメージを食らい、次のターンに瀕死から一掃される——このミスの根本は じしん を打つ判断ではなく、地面免疫のみかたをパーティに入れていないこと自体だ。修正はパーティ構築の問題であって、対戦中の問題ではない。もし試合途中でその状況になってしまったなら、みかたに まもる を選ばせつつアタッカーが単体技を1体に集中させることを検討する——全体技を諦める方が自傷より得な場面もある。
どしょく は完全な封殺: どしょく 持ちのポケモンは じしん でダメージを受けないだけでなく、HPを回復する。ドオー や キラフロル など、この特性を持つポケモンを前にすると、こちらの最強技が相手の回復手段に変わる。選出画面 でこの特性を確認したら打点を切り替える。力押しで突破する手段はない。
あなをほる への合わせ打ち: 相手が あなをほる を使い、溜め中で地中に潜っているターンに じしん を打つと威力が2倍になる——実効威力200で、防御に 能力ポイント を振っていない相手はほぼ一撃で倒せる。あなをほる を見たら迷わず打て。逆に、こちらのポケモンが あなをほる の溜めターン中は相手の じしん を回避できる——場面は限定的だが覚えておく価値はある。
気球の状態管理: ダブルで相手の ふうせん がすでに割れているかどうかが、次のターンに じしん が命中するかを決める重要な情報だ。記憶に頼らず、割れる可能性のある全ての攻撃を追い続ける。割れていない気球に じしん を打って空振りする1ターンは取り返せない。