効果
おにび を当てるとやけど状態を付与する。毎ターン最大HPの1/16のダメージ、そして——こちらが本命——物理攻撃が即座に50%ダウン、発動率関係なし。ドット消費はおまけに過ぎない。攻撃を半減させることが全てだ。
数字で確認しよう。攻撃実数値150の物理アタッカー(例えば強化なしのガブリアス)は、やけどを受けると有効攻撃が75まで落ちる。そこにいかくを重ねれば有効攻撃は約56——大半の受けポケモンが耐えられる水準を下回る。Champions環境では能力ポイントが1ステータスあたり32(合計66)まで制限されており、物攻全振りのアタッカーはLv50で実質28〜32ポイント程度の上乗せになる。やけどはその積み上げを丸ごと消し飛ばし、さらに実ダメージを20〜25%削る。2発で落とせていた受け駒が、3発でも落とせなくなるレベルの差だ。
Champions環境では状態異常全体がナーフされている。まひの全停止確率は12.5%、ねむりは最大3ターン、こおりは毎ターン25%で解除される。一方おにびはそのままだ——攻撃ダウンに発動率はなく、やけどが入った瞬間に適用され、状態が治るまで続く。物理アタッカー相手ならでんじはより安定して機能する。
筋肉に刻んでおくべき例外が2つある。ほのおタイプは完全免疫——技そのものが失敗する。急所に当たると攻撃ダウンが無視される——カミツルギのリーフブレード(急所ランク高め)、能力変化を無視するせいなるつるぎ、急所率を上げる特性などはやけど中でもフルダメージを叩き込んでくる。Kartanaを焼いても思ったより安全じゃないということだ。命中率は85%——最悪のタイミングで外したら試合が終わることもある。
採用するポケモン
おにびを最大限活かせるポケモンには共通したプロファイルがある。自分は物理攻撃を必要とせず、KOを狙うよりも物理圧力を受け流したいタイプだ。
- ガオガエン:ダブルバトルの補助の柱。いかくで登場時に相手の攻撃を1段階下げ、さらにやけどを重ねると有効攻撃は元の約33%まで落ちる(−1段階×0.67×やけど×0.5≈33%)。ダブルではねこだましで片方を行動不能にしつつ、相方が同ターンにもう一方へおにびを当てられる——読み合いが不要な確実な起点だ。
- オーロンゲ:サポート型のあくタイプで、でんじはとおにびを選出段階で使い分ける。相手に特殊アタッカーが多ければまひ、物理アタッカーが多ければやけど。選出画面で決断できるので、試合中に悩む必要がない。
- サマヨール:物理耐久が非常に高い壁役。やけどを入れてしまえば、強化なしの物理アタッカーでは現実的な時間内に突破できなくなる。いたみわけで継続回復を確保しつつやどりぎのタネで削り続ける消耗戦が得意。
- ラウドボーン:ゴースト/ほのおの複合タイプのおかげで相手のおにびを無効化でき、てんねんで相手の能力上昇を無視できる。登場してきた物理アタッカーにやけどを重ねれば、大半の物理構築からは突破不可能な壁になる。
- ゲンガー:特殊アタッカーとして「フリーの脅威」としておにびを使う。物理アタッカーを後出しすればやけどを受け、特殊アタッカーをそのままにすれば一致技を食らう——相手にとって選択肢がどこかいびつになる。
メガシンカを使う場合:フーディンは素早さが非常に高く、大半の物理アタッカーより先に動いてやけどを入れられる。先制技のない構築相手に刺さるプランだ。
使い方
シングル——交代狩りのタイミング:おにびが最も機能するのは、相手が物理アタッカーを繰り出してくるターンだ。理想の流れ:相手の物理スイーパーが来ることを確認→そのターンにおにびを選択→次のターン自分はダメージ役に交代。やけどを入れておくことで、交代の隙に受ける反撃ダメージを軽減できる。やけど状態のポケモンは引いても復帰すれば状態は継続するので、序盤のやけどが試合を通じたプレッシャーとして積み重なっていく。
ラムのみの扱い:1ターン目にのみ実へ交代した物理アタッカーにおにびを当てたとして、きのみで解除されてもこちらの行動は無駄ではない——相手がのみの実を持っていたことが確認できた。読みで打つより、まず攻撃を当ててのみの実を持っていないことを確かめてからおにびを打とう。あるいはゲーム中盤まで温存する手もある。きのみが使われるタイミングは限られており、相手もずっと持ち続けるわけではない。
ダブル——確実な起動:ガオガエン+おにびユーザーの並びはダブルの定番開幕構成だ。1ターン目:Incineroarが最も危険な物理アタッカーにねこだまし(行動不能)、相方がもう一方のスロットにおにびを打つ。2ターン目:Incineroarがすてゼリフで特殊アタッカーの特攻を下げつつダメージ役に交代、おにびは引き続き圧力を与え続ける。おにびは単体技なのでワイドガードで防ぐことができない——これが一部の全体技と比べたときのアドバンテージだ。
判断の分岐:マジックミラー持ちが場にいる場合(ブリムオン、エーフィ)は絶対におにびを打ってはいけない——反射されて自分のポケモンが焼かれる。相手の構築が特殊アタッカーしかいないなら、おにびそのものが機能しないのでそのスロットを攻撃技かでんじはに替えよう。
コツと戦術
ミスの解剖——間違った相手を焼く:初心者が最も多くやらかすのは、特殊アタッカーへの反射的なおにびだ。ハバタクカミやゲンガーが来ると脅威に見えてとりあえずおにびを打つ——でも攻撃ダウンは特殊アタッカーには何の意味もない。1ターン無駄にして手の内をさらしただけだ。改善策はシンプル:選出画面で相手のパーティを物理と特殊に分類する。おにびは物理側にしか使わない。迷ったらまず攻撃を当ててダメージ量を確認し、どちらのラインか判断してからおにびを打つ。
急所という抜け穴:リーフブレード(急所ランク高)のカミツルギやフェイタルクローのオオニューラなどは、急所に当たったときやけどの攻撃ダウンを無視してフルダメージを出してくる。やけどだけを頼りにKartanaの攻撃を耐えようとするのは、急所を引かれないことに賭けているのと同じで非常にリスクが高い。正しい対処は焼いた上で耐性のある受け駒に交代すること——やけど1枚だけを防御として使うのは危険だ。
削り流しのコア:おにび+やどりぎのタネ+まもるの3点セットは、シングルで物理寄りの構築に対して安定して機能する消耗構成だ。計算を整理すると:やけど毎ターン1/16、やどりぎのたね毎ターン1/8——合計3/16、HP100%の相手なら毎ターン約19%削れる。2〜3ターンそれを続けつつ、能力ポイントを防御に寄せた壁役が物理アタッカーの攻撃を受け続けていれば、相手のアタッカーはほぼ間違いなく突破前に力尽きる。地味に見えるが、状態回復手段もほのおタイプの後出しもない構築には静かに致命的だ。