効果
アンコール は対象が直前に使った技を、次の 4〜8 ターン強制的に繰り返させる。縛られた技の PP がゼロになると効果が切れ、その後は わるあがき を使うしかなくなる。対象がそのバトル中まだ技を使っていない、今ターン技の使用に失敗した、あるいは直前の技が アンコール・ものまね・オウムがえし・スケッチ・わるあがき・へんしん のいずれかだった場合、アンコールは失敗する。
核心的な価値はターン裁定だ。 具体的な数字で考えよう。相手が まもる を1回使い、アンコールで5ターン縛る——相手は行動権を4ターン丸ごと失い、こちらは4回分のアクションをタダで手に入れる。別のケース:素早さ 100 の相手が おいかぜ を張った直後、エルフーン が いたずらごころ アンコールで先手を取る。タイルウィンドは4ターン続くが、同じ技を繰り返しても延長はされないため、展開した側は4ターン全部を何もしない行動で消費することになる。その間にこちらは 2〜3 回の攻撃を通せる。縛った技が トリックルーム のようなフィールド技なら、繰り返すことで展開者が自分で効果を打ち消す最悪の自爆になる。
タイプ相性的に刺さらない攻撃技を縛れれば、安全に受け出しもできる。完全に無効化しながら好きに動ける状況を作れるわけだ。
採用するポケモン
いたずらごころ 持ちが絶対的な筆頭。 エルフーン のアンコール採用率は約 77% でフォーマット最高水準。プランクスターでアンコールの優先度が +1 になるため、素早さに関係なく相手より先に縛れる。相手は交代も技の使用も間に合わない。ワタッコ自身の素早さ 116 はおまけに過ぎず、速い相手にも先手が取れる。レパルダス と ヤミラミ も同じ構造で、さらに ねこだまし と組み合わせる。1体がフェイントで脅威を止め、もう1体がプランクスターアンコールで残った相手を縛る——同一ターンに2体を同時に封じる、ダブルバトルで最も効率的な立ち上がりの一つだ。
素早さ型の妨害役。 デカヌチャン(採用率約 51%)は素の素早さで多くの相手を上回り、プランクスターに頼らずアンコールと ねこだまし をダブルの嫌がらせパッケージとして機能させる。ライチュウ と エンニュート も同様の Fake Out + Encore 構成で、相手の積み行動を完成前に潰すことが主な役割だ。
シングルでの使い方。 ルチャブル(約 42%)はアンコールで相手を不利な技に縛った後、有利な交代要員を出すか、かるわざ を起動する。アイテムを失うと素早さが2倍になり、基礎値 100 が実質 200 相当に達し、ほぼ全ての未強化ポケモンを抜ける。ニョロトノ のアンコールは相手の天候展開役を縛り、雨を何度も上書きされる展開を防ぐためのものだ。
使い方
ダブルの基本シーケンス。 1ターン目:1体が主要な脅威に ねこだまし を打ち、アンコール役がもう1体を縛る——相手2体が同時に行動不能になる。2ターン目:縛られた側は無意味な技を繰り返すしかないため、より危険な方に集中攻撃を当てればいい。積み技には特に敏感でいたい。相手が おいかぜ・にほんばれ・トリックルーム を決めた瞬間にアンコールを入れよう。フィールド技は繰り返しても効果が延長されないため、展開役は毎ターンを無駄に過ごすことになる。トリックルーム構築相手なら特に致命的で、展開者自身がトリックルームの残りターンを食いつぶしていく。
プランクスターの罠。 いたずらごころ アンコールは優先度 +1 だが、あくタイプには完全に無効だ。相手に ガオガエン や オーロンゲ がいる場合、プランクスターアンコールは通らない。素早さで勝負するサブのアンコール要員か、別の妨害手段を用意しておくこと。
シングルの交代対応。 相手が交代出しで、こちらに刺さらない技——弱い攻撃、積み技、こちらが無効にできる技——を使ってきたらすぐアンコールで縛る。次のターンに相手が交代しなければ同じ技を繰り返すしかなく、その隙にカウンターを無償で出せる。PP は 5 しかないため、読みが曖昧な場面では切らないこと。最も価値の高い縛りのためにとっておけ。
ダブルでのターゲットランダム化。 縛った技が対象を選べる技の場合、毎ターンランダムに対象が選ばれる。縛られたポケモンが誤って自分のパートナーを攻撃することがある。盤面が整っていれば、これを利用して相手の内輪もめを誘発できる。何もせずに勝手に有利になる状況だ。
コツと戦術
まもる読みが最も堅実なアンコールの狙い目。 上位のダブルではプレッシャーがかかるとまもるを反射的に使う場面が多い。「相手がまもりそう」という感覚を磨き、使った瞬間にアンコールを合わせよう。読み外しても消費するのは PP 1つだが、当たれば複数ターンを丸儲けできる。期待値は明確にプラスだ。
よくある初心者の失敗——早すぎるアンコール。 相手が動いた瞬間に縛りたくなるのはわかるが、縛った技がこちらへの脅威でなかった場合(等倍攻撃、効果が完了した積み技、パーティが無視できる技など)、アンコールは PP と行動権を無駄に捨てただけになる。正しいタイミングは相手が明確なコミットをした後だ——積み技、不利マッチアップへの交代出し、こちらが無効にできる技。使うタイミングが遅いほど精度が上がり、PP の価値が高まる。
アンコール→かなしばり(ヤミラミ の専用二段縛り)。 アンコールが切れて相手に選択権が戻ると、直感的に直前まで縛られていた技に戻ろうとする。そこに ヤミラミ が かなしばり を重ねてその技を封じる。相手は2連続で理想の行動を取れない状態に置かれ、ターンとリソースを同時に削られる。攻撃性能が平凡にもかかわらず Sableye が妨害コアに採用される主な理由がこの連携だ。
対策。 メンタルハーブ はアンコールを即座に解除する。アンコールを狙いたいサポート要員がこれを持っている可能性を常に意識し、確認してから動くこと。こだわりスカーフ・こだわりハチマキ・こだわりメガネ 持ちはすでに1つの技に縛られているため、アンコールの追加効果はゼロ——完全な無効ターゲットだ。交代でアンコールは即解除される。とんぼがえり や ボルトチェンジ などのバトンタッチ手段を持つパーティはアンコールへの構造的な耐性がある。相手がいつでもコストなく逃げられるなら、縛りの価値はほぼ消える。
Champions 能力ポイント について。 能力ポイント 総計 66 の制限下では、エルフーン・ヤミラミ・レパルダス などのサポート枠はほぼ全ポイントを耐久か素早さに振るため、アンコール後の火力貢献はほぼ期待できない。アンコールは窓を開けるだけだ。その窓から入って仕事をするのは隣の攻撃枠の役目。隣の火力担当が仕留められないなら、アンコールターンはただのテンポ停滞にすぎず、それ自体が勝ち筋にはならない。