効果
たつじんのおび は技が効果抜群を取ったとき、ダメージを ×1.2 倍にする。それだけだ。いのちのたま のような毎ターン HP 消費もなく、こだわりハチマキ のような技ロックもなく、消費アイテムでもない。効果抜群を取るたびに何度でも乗る。
実際の数字で確認しよう。 Champions は Lv50 制で 能力ポイント の上限は 1 ステータスにつき 32。たつじんのおびが STAB かつ効果抜群に乗ったときの倍率スタックは以下の通りだ:
STAB ×1.5 × タイプ相性 ×2 × おび ×1.2 = ×3.6 合計
いのちのたま の場合は ×1.5 × ×2 × ×1.3 = ×3.9。差は約 8%——そしてたつじんのおびはターンごとの HP 消費がゼロ。STAB なしの効果抜群なら ×2 × ×1.2 = ×2.4 で、Life Orb の ×2.6 と比べて同じく約 8% 低い。ただし 3〜5 ターンの中盤戦を通して見ると、おび持ちは毎回満 HP で対面できるのに対し、Life Orb 持ちはすでに HP の 20〜30% を削られている。
このフォーマットのダメージ乱数は 85%〜100% の 16 段階。ダメージ計算ツールで最低乱数(×0.85 補正)でも確定 KO ラインを超えているか必ず確認すること。「たぶん倒せる」を確定として扱うな——15% 低乱数で HP5% 残りの相手が生き残ることがある。
採用するポケモン
ガブリアス — このフォーマットで最も広い効果抜群範囲を持つ
じめん/ドラゴンタイプに加え柔軟な技範囲を持つため、じしん はほのお・でんき・どく・はがねタイプに効果抜群を取れる。ストーンエッジ はこおり・ひこう・ほのおに刺さる。ダブルでは Earthquake の全体技補正 ×0.75 がかかるが、×1.5 × ×2 × ×1.2 × ×0.75 = ×2.7 とそれでも十分な打点が出る。そしておびならば こだわりハチマキ と違って相手によって技を使い分けられる——これが Garchomp にとって最大のメリットだ。
ゲンガー — ゴースト+どく+技範囲で三方向の火力
ゴースト STAB でエスパー・ゴーストタイプを、ヘドロばくだん でくさ・フェアリータイプを、きあいだま や エナジーボール で残りのギャップを埋める。実戦ではほぼ何らかの効果抜群を取れる相手が見つかる。高い特攻と最速クラスのすばやさを持つため、おびで強化された一発一発がすべて KO 圏内の圧力になる。ゲンガーにコダワリ系を持たせると択が透けるが、おびなら毎ターン最適な技を選べる。
ウーラオス(れんげきのかた)— ダブル専用アタッカー
みず+かくとうの技範囲でいわ・どく・こおり・あく・はがねタイプに効果抜群——環境の主力メタに対して広く刺さる。すいりゅうれんだ は 3 連続技なので最初の一撃で相手の抵抗きのみを割り、残りの 2 撃がおびフル補正で刺さる(下の「対策」セクション参照)。ダブルでは 1 ターン目に攻撃し、2 ターン目に まもる でパートナーに任せればよく、技ロックのリスクは一切ない。
たつじんのおびを使わないケース: 自タイプ一致で中性打点を押し付けることがメインの型。たとえばほのお単タイプが かえんほうしゃ を中性相手に連打するだけのプレイなら、おびの ×1.2 は一度も発動しない。そういうケースは Life Orb の無条件 ×1.3 が正解だ。
使い方
ゲーム開始前: 選出画面 の段階で、自分の技が相手パーティのどのポケモンに効果抜群を取れるか整理しておく。たつじんのおびはその対面を実際に作れる回数に比例して価値を発揮する。3 体以上の主力に効果抜群を取れる見込みがあればおびは正当化される。それ以下なら Life Orb の方が安定する。
シングルの動き — 交代読み:
- 先発または引き先として Garchomp を出す。相手のいわ/はがねタイプが場にいる。
- 相手がみずタイプに交代して Garchomp を狩りに来ると読む。
- 技構成に ストーンエッジ があれば、交代読みでそのまま打つ——効果抜群にたつじんのおびが乗り、ダメージが KO ラインを超える。
- 読みが外れて相手がそのまま居座っても、Garchomp を引くだけ。コダワリ系と違って自分を縛っていないし、手札を晒してもいない。
実際の 能力ポイント 配分で KO 検証を必ずやること。Champions の 32 ポイント上限では Smogon の 252 努力値計算と数値が大きく異なる——自分のビルドの実数値で計算しろ。
ダブルの動き — 攻めてから柔軟に対応:
1 ターン目:Urshifu が効果抜群の相手に すいりゅうれんだ を打つ。3 連撃すべておびが乗る。パートナーはサポート技か逆サイドへの攻撃。
2 ターン目:相手は Urshifu に有利なポケモンに交代してくる公算が高い。Urshifu は自由に まもる。パートナーが入ってきた脅威に対するポケモンを繰り出す。技ロックのリスクはどの時点でもゼロ。
全体技の補正について:ダブルの いわなだれ はすでに ×0.75。効果抜群の相手への実際の倍率は ×0.75 × ×2 × ×1.2 = ×1.8——中性無補正の 1.8 倍なので十分強い。じしん も同じ計算になるが、パートナーにも当たる点に注意。じめん免疫か まもる プランを事前に確認すること。
HP 保全の価値: おびは劣化も消費も HP 吸収もしない。自由に交代して削りダメを受けても、次の出番は満 HP で出られる。これは試合が 5〜6 体目まで続く展開で実質的なアドバンテージになる。
コツと戦術
よくある初心者ミスの解剖 — 範囲の狭いアタッカーへの採用: たつじんのおびを、1 試合でせいぜい 1〜2 回しか効果抜群を取れない技構成のポケモンに持たせてしまうのが典型的なミス。残り 5 ターンは中性ダメージを押し付けるだけで、おびの貢献はゼロ——道具枠を空にして出ているのと変わらない。対策はシンプル:構築段階で自分の技範囲が効果抜群を取れる相手の種類を書き出し、使用率上位に 2 体以下しかいないなら Life Orb に替える。おびは頻度で勝負するアイテムであって、一発逆転の保険アイテムではない。
Life Orb との切り替えライン: 大雑把な判断基準として——試合中の攻撃の 60% 以上で効果抜群が取れるならたつじんのおびが総合的に上回る(HP 消費なしの恩恵が長期戦で雪だるま式に効いてくる)。効果抜群が 40% 未満なら Life Orb の無条件強化が勝る。その中間は、チーム全体がどれだけ削り合いに耐えられるかによる。
対策 1 — 抵抗きのみ: 相手が オッカのみ やそれに対応するタイプの抵抗きのみを持っている場合、そのタイプの効果抜群ダメージは ×0.5 になる。おびの ×1.2 と重ねても ×0.5 × ×2 × ×1.2 = ×1.2 にしかならない——おびなしの中性打点とほぼ変わらない数字だ。きのみにおびの攻勢を完全に潰される。ウーラオス の すいりゅうれんだ はこれを回避できる数少ない手段のひとつ:最初の一撃できのみを割り、同ターン内の残り 2 撃はフル補正の効果抜群ダメージが入る。単発技を使うポケモンについては、相手がどのきのみを持ちそうか構築段階から読んでおくこと。
対策 2 — ダメージ軽減特性: ハードロック、フィルター、プリズムアーマー は効果抜群ダメージを ×0.75 に軽減する。おびと重ねると ×0.75 × ×1.2 = ×0.9——おびを持っていない状態より低いダメージしか出ない。ドサイドン(Solid Rock)などこの特性を持つ壁役に対してはたつじんのおびが完全に足を引っ張る。アタッカーを変えるか、効果抜群の技ルートを通さない技で対応すること。
Champions における状態異常の限界: まひで完全行動不能になる確率はわずか 12.5%。ねむりの最大継続ターンは 3 ターン。こおりも最大 3 ターンで毎ターン 25% の確率で解ける。状態異常でたつじんのおびの相手を縛り続けて効果抜群を稼ぐ戦略は信頼できない。おびとの正しい合わせ方は、最初の正確な読みでアグレッシブに仕掛けること——交代を誘い、KO を取り、次に進む。いい条件が整うのを待っているうちに相手がローテーションしてしまい、おびが何もしない試合になる。