効果
おいかぜ は使用したターンを含む4ターンの間、自分側のフィールド上にいるすべてのポケモンのすばやさを2倍にする。この効果はフィールドに付与されるものであり、使用者個人には紐づかない——展開直後に交代しても、残りターン数の間バフは継続する。
すばやさの計算順序は重要だ:能力ランク補正 → 特性倍率(ようりょくそ・すいすい など)→ 持ち物(こだわりスカーフ ×1.5)→ おいかぜ ×2 → まひ半減。おいかぜとこだわりスカーフは別々の計算ステップに位置し、それぞれ独立して切り捨て処理される。実質的な結果は単純な×3ではない。
具体的な数字で見ると話は早い。ウルガモス は種族値すばやさ100、おいかぜ下のLv50実数値はおよそ145→290となり、補正なしの環境のほぼすべてを抜き去れる。ペリッパー は種族値65と鈍足に見えるが(Lv50実数で約105)、おいかぜで約210に達し、多くの未強化アタッカーを上から叩ける。極端な例がキングドラ:すいすいが発動した状態でおいかぜを受けると、悠々自適で先に×2、次においかぜで×2、それぞれ切り捨て処理を経て実数が490+に届く。通常状態でこれを抜けるポケモンはほぼ存在しない。
Champions ルールでは能力ポイントの合計が66、1ステータスの上限が32。アタッカーの配点は耐久と攻撃が優先されるため、すばやさはどうしても後回しになる。おいかぜはその格差を1ターンで一気に埋めるツールであり、配点をすばやさに回すより遥かに効率が高い。
採用するポケモン
いたずらごころ(いたずらごころ)サポーターが最も信頼できる展開役だ。エルフーン と トルネロス はいたずらごころで変化技を+1優先度に引き上げるため、相手のすばやさや麻痺・スカーフ有無に関わらず、おいかぜはほぼあらゆる攻撃より先に発動する。エルフーン は草タイプなので粉技を無効化でき、いたずらごころ技がダークタイプに効かないという唯一の制約も持つ。トルネロス はサポートしながらひこうタイプの攻め手も維持できるため、単なる置物にならない。
天候展開のサポーターにもおいかぜは自然と収まる。ペリッパー はあめふらしで雨を降らせ、そこにおいかぜを重ねることで、1匹で天候アタッカーの強化と非みず仲間の素早さ補強を同時にこなす。この二役の効率がペリッパーをほぼすべての雨パに採用させる理由だ。
高速アタッカーの ファイアロー や アーマーガア がおいかぜを採用するのは、自身のためではなく、鈍足な攻撃核を同じ速度帯に引き上げて「相手全員が自分たちより遅い」状況を作り出すためだ。ファイアロー はおいかぜを使った後すぐはやてのつばさの優先度ひこうわざを打てるため、ターンを一切無駄にしない。
火力は高いがすばやさが中途半端なアタッカー——ウルガモス や ウオノラゴン ——がおいかぜの主な恩恵を受ける存在だ。これらはパーティの核になるポケモンだが、積む前の1ターン目が致命的に脆い。おいかぜはT1を生き抜いてダメージを与え始めるための保険であり、相手がこだわりスカーフの速攻型を使ってくるなら、おいかぜがあるかないかで生存が決まる。
使い方
ダブルバトルの基本的な動き:T1にいたずらごころ展開役(エルフーン など)とアタッカーを同時に出す。おいかぜはいたずらごころ優先度で先に出るため、相手が何をしてきてもおいかぜは通る。アタッカーは同じターンにすばやさ倍化の恩恵を受けながら行動できる。T2は展開役で アンコール を使って相手をまもるに縛るか、2枚目のアタッカーに交代。おいかぜ中に交代で入ったポケモンも既存のバフを引き継ぎ、入ったターンから倍速で動けるため、交代の判断を平時より積極的にできる。
T1の意思決定:相手に速度操作の気配がない(ブリムオン がいない、鈍足な積み役が見えない)なら、即おいかぜを展開してプレッシャーをかける。トリックルームの予感があるなら、その展開役を先に倒せるか検討する——おいかぜを1ターン使って結局トリックルームを返せなかった場合は取引として最悪だ。
シングルバトルではおいかぜのコストパフォーマンスは低い。1ターン使って3ターンのすばやさ優位を得るよりも、こだわりスカーフや配点投資の方がターンを消費しない。唯一の例外は、スカーフや配点では追いつけない特定の速度帯(種族値130+スカーフ)を1回の技で抜かなければならない場面だ。
コツと戦術
トリックルーム(トリックルーム)はおいかぜの完全カウンターだ。トリックルーム下では遅い方が先に動くため、すばやさを倍にすることが逆にフィールド最遅になることを意味する。プレビューで明確なトリックルームパーティが見えたら、ブリムオン や ポリゴン2 といった展開役をトリックルーム発動前に倒す手段を持つか、速度操作が無力化されることを受け入れるかの2択を迫られる。おいかぜ vs トリックルームの読み合いはダブルで最も影響の大きい予測判断であり、外せば試合が終わる。
ちょうはつ(ちょうはつ)はほとんどの展開役に刺さるが、いたずらごころ使いにはほぼ効かない。ちょうはつといたずらごころのおいかぜは同じ+1優先度帯に入るため、その帯の中でのすばやさ勝負になる。速い方が先に動くため、自分のちょうはつ使いより速いいたずらごころ使いには間に合わない。確実な回答はねこだまし(ねこだまし)だ:T1に展開役をひるませて行動を封じる。攻撃1回分を犠牲にするが、+1優先度帯でも抜けない場合にいたずらごころおいかぜを止める最もクリーンな手段はこれだ。
ターン数は正確に数える。おいかぜは使用ターンを含めて4ターン。展開役はそのターンにすでに行動しているため、自身が恩恵を受けるのはフィールドに残り続けた場合の2〜4ターン目だ。味方にとっては倍速で動けるターンが実質3ターンある。その貴重なターンを惰性でまもるに使うのは避けたい。3ターン目が終わる頃に盤面が優勢なら、PPが残っていれば再展開も選択肢に入るが、それはダメージを1回分諦めるトレードオフ——盤面がそれに見合うか確認してから判断する。
初心者がやりがちなミス:いたずらごころサポートなしのおいかぜパーティでT1から展開役を先発させ、相手のスカーフ高速アタッカーに先を取られ展開役が倒れる。結果はポケモン1体のロス、おいかぜ未展開、完全なる主導権逆転だ。対策はエルフーン/トルネロス といったいたずらごころ持ちでT1の先手を保証するか、プレビューで相手に高速先手技がないと確認してから展開役を先発させること。いたずらごころがない場合、T1のおいかぜ判断には必ずすばやさの比較が必要だ——この確認を省略してはいけない。