効果
コーチングはかくとうタイプの変化技で、ダブルバトルの場にいる味方を対象とし、攻撃と防御をそれぞれ1段階上げる。場に味方がいない場合は失敗——シングルバトルでは一切使用できない。
数字で検証——上昇はどれだけの価値があるか?
攻撃+1は受け取り手のダメージ出力を1.5倍にする(正確には×6/4)。ガブリアスの種族値攻撃130を例に挙げると、+1後は実質攻撃195になる。130の時点では「瀕死手前」で止まっていたじしんが、+1後は同じ技で確定1発になる。チャンピオンルールではダメージ計算の乱数が85%から100%の間を16段階で刻む仕様上、攻撃+1は「65%程度の乱数1発」を「95%以上の確定1発圏内」に押し込むケースが多く、bo1のランクマッチでは実戦的なラインの差になる。
防御+1は地味だが確実に効く。多くの技が2発圏内のギリギリのラインを突いてくる——防御1段階で90%2発を60%2発に変えられれば、受け手が余分に1ターン生き残る確率が大幅に上がる。
いかく打ち消し計算:相手のいかくで攻撃が130から97(×0.75)に下がった状態でコーチングを使うと、攻撃は130の1.5倍=195に到達する。これは「いかくを打ち消す」どころか「開幕より50%強い攻撃力を得る」ということだ。相手からすれば計算が一気にずれる。
すばやさには影響しない。ルチャブルのすばやさはかるわざによって上がるのであって、コーチングは関係ない。
採用するポケモン
使用側:かくとうタイプの補助的アタッカー——自分の打点はあるが、特定のターンに攻撃を通せる相手がいない場面で、行動を腐らせるよりも味方を伸ばすほうが得になる型。
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ルチャブル(使用率約36%):最もきれいに噛み合う採用先。かるわざ+しろいハーブの構成で、しろいハーブ消費後にすばやさが基礎71から142に倍増する。相手がまもるを選んだターンや攻撃角度が合わないターンにガブリアスやドドゲザンへコーチングを打つ——どうせ腐る行動を味方の攻防+1に変換できる。ルチャブル自体がすでに十分速いため、まもるターンに積んだ+1が次のターンにすぐ活かされる。
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ゴウカザル(約18%):ねこだまし始動型のリードポジション。1ターン目にねこだましで相手の行動を妨害し、2ターン目に明確な攻撃優先対象がない場合にコーチングが噛み合う。ただし技スロットがねこだまし・かくとう主力技・ほのお主力技・まもるでほぼ埋まるため、コーチングを採用するには「このパーティに本当に補助が必要か」を吟味する必要がある。
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オオニューラ(約12%):本来はスイーパーだが、素早さ135の高速行動順が選択肢の幅を広げる。両サイドまもる・攻撃角度が悪いターンにドドゲザンやガブリアスへコーチングを打ってもロスにならない。
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ヘラクロス(補助役として約11%):マッハパンチなどの先制技使いと組む場合、コーチングの防御+1によって先制技使いがねこだましの追撃を耐えられるようになる。
受け取り側:物理アタッカー型のコア
- ガブリアス:攻撃+1後、じしんが以前は乱数依存だったKOラインを安定して超える。防御+1でマニューラのこおりのつぶてをより確実に耐えられる。
- ドドゲザン:そうだいしょうと攻撃+1が乗算で重なり、単発ダメージが爆発的に増加。防御+1で鋼タイプへの物理弱点打を粘れるようになる。
- イダイトウ:すいすいやてきおうりょくに攻撃+1が加わると、等倍相手からの抵抗がほぼ不可能な火力になる。
- ローブシン(トリックルーム軸):ドレインパンチの回復量がダメージに比例するため、攻撃+1がそのまま持続力の向上になる。
使い方
コーチングはダブルバトル専用技。以下のパターンはすべてダブルのランクバトルを前提とする。
行動パターン1——双方まもるのターン 相手の両ポケモンがまもるを選択。攻撃対象がない。 → 味方が物理スイーパーでかつ強化なし:コーチングを打つ。 → 味方がすでに攻撃+2以上:自分がまもるに切り替える——これ以上積んでも旨味がない。
行動パターン2——自己デバフ回収チェーン 味方が前のターンにインファイトを使用(防御−1)。相手はそのまま攻めてくる。 → このターンコーチング:防御が−1から0に戻る。自己デバフを実質タダで帳消しにできる。 → しろいハーブがある場合:しろいハーブが先に発動して防御が0に戻り、その後コーチングで防御+1に上がる。つまり味方は自己デバフ技を打ちながら最終的に攻撃+1・防御+1を得て、しろいハーブも消費済みという状態になる。これがジャラランガとコーチング補助の核心ロジック:スケイルノイズで高打点を出し、しろいハーブで特防ダウンを回収、コーチングで防御を積み上げる。
行動パターン3——いかく逆転 相手がランドロス(れいじゅうフォルム)を繰り出しいかくが発動、自分のガブリアスの攻撃が実質97に落ちる。 → コーチング:攻撃はデバフ後の値から+1段階上がり、結果的に素の130より50%高い195になる。「元に戻る」よりはるかに得な選択肢。ガブリアスがこのターンを生き延びられると読んだときに選ぶ。
上限について:味方の攻撃がすでに+2以上で防御も十分なら、これ以上コーチングを打っても旨味はほぼゼロ。その行動は攻撃かまもるに使う。
コツと戦術
最も多い失敗——倒されるポケモンにコーチングを打つ
中堅帯で頻発するパターン。相手のテツノツツミが次のターンに確実にガブリアスを1発で倒せる状況でコーチングを選択。先行したテツノツツミがKO、ガブリアスは倒れ、積んだ強化も消える——行動が完全に無駄になる。
対処法はシンプルで、コーチングを打つ前に「味方はこのターンを生き延びられるか?」と自問する。答えがNoまたは不明なら、脅威を攻撃して妨害するか、味方自身にまもるを選ばせる。一言で言えば:次のターンに生きていない味方への投資はしない。
例外とメタ対策——コーチングが無効化される場面
- 相手のくろいきりまたはクリアスモッグ:全能力変化をリセットされ、積み上げた投資が一瞬で消える。現環境での使用率は高くないが、マタドガス系統の積み崩しとして存在はする。かがくへんかガスは強化効果のチェーンを壊すが直接リセットはしない点に注意。
- 受け取り側を先に倒される:ねこだましと高火力の組み合わせが最もシンプルな回答。コーチングへの正解カウンターは使用者を狩ることではなく受け取り手を直接KOすること——強化は倒れた時点で消える。
- 受け取り側が引っ込む:交代で強化が消える。相手に積みを読まれて自発的に引かれると、コーチングは行動丸ごと無駄になる。
技スロットのコスト:コーチング採用は攻撃技スロット1つを手放すことを意味する。ゴウカザルが典型例で、ねこだまし・インファイト・フレアドライブ・まもるで4スロットが埋まった状態では、コーチングはそのどれかを押しのける。まもるを抜けば極端に脆くなり、攻撃技を抜けば打点を失う。パーティ構成上この補助効果が本当に必要なときだけ採用を検討する。
能力ポイントの振り方:コーチング使用者は攻撃を最大値まで伸ばす必要がなく、すばやさと耐久を優先するのが基本。出力は味方が担うのであって、自分ではない。