効果
りゅうのまい を使うと、攻撃と素早さがそれぞれ1段階(×1.5)上がる。1ターンの積みで2つのステータスを同時に伸ばせる技はほぼ存在しない――これが他の積み技と比べたときの圧倒的な効率差だ。
まず数字を確認しよう。 ボーマンダ を例にとる。種族値素早さ100、Lv50、性格補正なし、能力ポイント を素早さに振らない場合、実数値は約155。1舞すると155 × 1.5 = 232になる。232が上から抜けるのは何か?こだわりスカーフ を持った種族値90の相手の素早さは約202、種族値100で約225――どちらも232には届かない。つまり1舞だけで、中速帯のこだわりスカーフによる先手リベンジを大半無効化できる。
攻撃も同じ計算だ。Lv50補正なしのボーマンダの物理攻撃は約145、舞後は約217相当の火力になる。平均的な物理耐久の相手に対して、2発必要だった場面が1発で倒せる場面に変わることが十分あり得る。
注意:りゅうのまい は特攻を一切上げない。特殊アタッカーならめいそうやわるだくみを使うこと。
採用するポケモン
必須条件は2つ――物理アタッカーであること、そして現実的に1ターンの猶予を作れること。種族値素早さ80〜100帯の物理アタッカーが最も恩恵を受ける。1舞で大多数の相手の素早さを上から抜けるようになるからだ。
主な採用候補:
- カイリュー:種族値素早さ91は飛び抜けて速くはないが、マルチスケイルがあれば満HP時にほぼどんな攻撃も1発耐えられる――これが積みの窓口になる。舞後素早さは約214。しんそくで先制保険も確保できる。
- ギャラドス:種族値攻撃125、素早さ81。1舞で素早さが約183になり、スカーフなしの中速帯を大半上から抜ける。水/飛タイプで地面を無効化できる点も強い。Megaギャラドス(メガシンカ経由)は水/あくタイプになりドラゴン弱点が消え、攻撃が155まで上がってさらに危険。
- ボーマンダ:上記の計算通り、1舞で素早さ230台に乗り、こだわりスカーフを持った種族値90〜100帯を大半上から抜く。げきりん・じしんで技範囲が広く、強化後に安全に受け出せるポケモンは少ない。
- ガブリアス:種族値素早さ102、舞後は約237という最上位の速さになる。じめん/ドラゴンの技範囲で場をほぼ制圧でき、そもそもこだわりスカーフなしで十分速いのも強み。
- バンギラス:素早さ61は舞後でも約143とギリギリ中速帯に追いつく程度だが、攻撃134が舞後に約201になれば大半の物理受けも崩せる。すなおこしによる砂嵐ダメージが相手の耐久ラインを削ることで、展開のテンポを間接的にコントロールできる。
- ハッサム:素早さ65は普段は足を引っ張るが、Megaハッサム(メガシンカ経由)なら攻撃150。舞後素早さ(約146)も十分機能するラインになり、テクニシャン補正付きのバレットパンチが素早さだけでは足りない局面を補ってくれる。
種族値素早さ130以上のポケモンは基本的に舞を必要としない。逆に70以下だと2舞しないと実効的な素早さ帯に届かないことが多く、実戦で2ターンの積みを安全に確保するのはほぼ不可能だ。
使い方
シングルバトル:
いつ積むかが全てだ。相手の攻撃を受けずに済む場面――タイプ相性による無効、Choice系アイテムで動きを縛られた相手、強制交代――に後出しして舞を踏む。
典型的な流れ:先発で相手の1体を削り、相手が交代するタイミングに合わせてスイーパーを投げ、りゅうのまい。次のターンに相手がスイーパーを倒せなければ、スイープが始まる。
判断のポイント:相手に先制技使い(マッハパンチ・しんそく)や、舞後の自分より速いこだわりスカーフ持ちが残っているなら、先にそちらを処理すること。 それらを残したまま積んでも、次のターンに先手を取られてただのターン無駄になるか、強化済みのポケモンをタダで渡すことになる。
ダブルバトル:
相手が2体同時に動けるため、妨害される窓口がシングルの倍になる。ダブルでりゅうのまいを安全に積むにはサポートが必須だ。
- 相方がこのゆびとまれ・いかりのこなで攻撃を引きつけ、1ターン守る。
- 相方がねこだましで相手の1体を止め、受ける攻撃を半分に減らす。
- スイーパー自身がまもるを持ち、相方が脅威を処理する間1ターン安全に過ごしてから舞う。
1舞成功すれば場の大半を上から抜けるようになるが、舞った次のターンにすぐ攻撃に転じること。舞を見た相手はそのターンに変化技(でんじは・おにび)を打ってきて強化を無駄にしようとしてくる。
コツと戦術
よくあるミスの解剖。 最も多いのは「1舞したが次のターンに倒しきれるか不安で2舞目を選ぶ」パターンだ。上位対戦ではこれはほぼ負け確定になる――相手が1舞目にKOしてこなかったのは対処の準備ができていなかっただけで、そのターンに切り返しの手を投入してくる。2舞目はスイーパーをタダで献上するだけだ。舞は1回、その後すぐ攻撃。2舞が正解になるのは相手の残りパーティ全員に確実に勝てると確信できた場合だけ――そんな状況は初心者が思うよりはるかに少ない。
やけどは最も重い対策。 おにびで物理攻撃が半減すると、りゅうのまいで得た攻撃上昇が丸ごと無効化される――素早さは上がったままだが火力は壊滅する。ロトム系・ゴーストタイプ・やけどを多用する炎タイプが相手にいるなら、ラムのみを持たせて状態異常を1回吸収するか、先にそれらを倒してからスイーパーを投入しよう。
Championsルールでのまひの実際の影響。 完全停止確率は12.5%(メインシリーズの25%より低い)なのででんじはの運次第での影響は抑えられているが、素早さ半減は確定で発生する。舞後の素早さが÷2されると上昇分が完全に無駄になり、むしろ元の素早さを下回る状況にもなりかねない。場面にでんじは使いが残っているなら先に処理しておくこと。
先制技は素早さ上昇を完全に無視する。 マッハパンチ(優先度+1、かくとうタイプ)としんそく(優先度+2)は何段階舞っていても関係なく先に動く。かくとうタイプの先制技はドラゴンタイプに対してタイプ相性でも刺さるため、ダメージとスピード無効化の二重の問題になる。HP半分のカイリューやボーマンダがマッハパンチ持ちのローブシンやキノガッサと対面すると、何回舞っていても一撃で倒される。
例外特性:てんねん。 この特性を持つポケモン(ヌオー・ピクシー)は相手の能力変化を完全に無視してダメージ計算を行う。+2攻撃で積んだスイーパーも、未強化のアタッカーと同じダメージしか与えられない。スイーパー戦術への最も強固なカウンターと言える。相手のパーティにてんねん持ちがいる場合、スイーパーを特殊アタッカーに変えるか、先にそのポケモンを倒す手段を用意しておく必要がある。
場荒らしによる耐久圧縮。 ステルスロックは交代のたびにHPを25%削る(岩タイプ弱点ならさらに多い)。これによりカイリューのマルチスケイルを満HPで維持するのが難しくなり、積みターンに1発耐えられる余裕も大きく減る。ステルスロック除去役をパーティに入れるか、スイーパーを投入する前に岩が撒かれていないことを確認しないと、積み途中で落とされてテンポごと失うことになる。