効果
ファストガード は使用したターン、自分側の場に優先度が厳密に 0 より大きいすべての技をブロックするバリアを張る。重要なのは「自分側」という範囲——自分のポケモン 2 体を同時に守る。これが まもる との本質的な違いであり、この技が存在する唯一の理由だ。
数字で価値を示そう。 カイリュー が しんそく(優先度 +2、STAB ×1.5)を最大攻撃努力値で放った場合、HP75% の オオニューラ を一撃で倒せる確率はおよそ 60〜70%。ファストガード はその確率を場に出ている 2 体まとめて 0% にする。同じ 1 アクションで、ドドゲザン の ふいうち、ハッサム の バレットパンチ、イダイトウ の アクアジェット、そして場に出ているあらゆる ねこだまし——優先度技カテゴリごと全封できる。
Champions の優先度システムは通常の VGC と変わらない。ねこだまし は相変わらず Turn 1 を支配する「メトロノーム」で、ガオガエン と ガルーラ の採用率はほぼ 100% に達する。はやてのつばさ は ファイアロー の飛行技に +1 優先度を与え続けており、おいかぜ でさえ優先度行動になる。シングルでは完全に無意味——1 体しかいないなら まもる で十分だし、攻撃の方が絶対に強い。枠を無駄にするな。
採用するポケモン
ファストガードの優先度は +3 なので、使用者の素早さに関係なくほぼ必ず最速で動ける。本当の選別基準は「枠代」——サポートに 1 スロット割く価値があるかどうかだ。
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ファイアロー:はやてのつばさ のおかげで元々優先度技使いかつ速度操作の要として機能する。能力ポイント は攻撃と素早さ(SP 32)を最大まで振り、性格はようきが基本。標準セットは ファストガード と おいかぜ の二本柱:ねこだましを使う相手には Turn 1 でファストガードを展開し、ガブリアス(同伴率約 70%)や オオニューラ(約 32%)が無傷で動けるようにする。優先度技を持たない相手にはそのまま Tailwind を積んで速度優位を 1 ターン早く取れる。1 体で 2 つの守り方を使い分け、判断はチームプレビューで完結させる。
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ナゲツケサル:まけんき で いかく を受けると攻撃が上がるが、ねこだましで潰されれば 1 ターンを丸ごと失う。ファストガードがあれば Turn 1 に インファイト や いわなだれ を確実に通せるし、隣のポケモンも しんそく の狩りから守れる。素早さは平均的だが、優先度 +3 のファストガードに素早さ優位は不要だ。Passimian 採用構築の約 12% がこの技を持つ。
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エルフーン:いたずらごころ により変化技全般に +1 優先度が乗る。ファストガード本来の +3 と合わせると実質 +4——ゲーム中で最速の行動になる。定番の相方 ウーラオス はねこだましを極端に嫌い、同じターンに おいかぜ、アンコール、ムーンフォース をマッチアップ次第で使い分けられる Whimsicott が 1 枠で担う仕事量は膨大だ。
使い方
基本の動き:Turn 1 ファストガードで相手の最高価値行動を潰す。
選出画面 で ガオガエン や ガルーラ を確認したら、ファイアロー(または エルフーン)がファストガードを使い、相方はそのまま自分のプランを実行する。ねこだましはバリアに弾かれて無駄になり、こちらは完璧な状態で Turn 1 を終える。これが Champions ダブルで最も高頻度に発生する「タダ取りターン」だ。
Turn 1 の判断フロー(Talonflame を例に):
- 相手にねこだまし使いがいる → ファストガード優先、相方の行動を守る;
- 優先度技はないが全体技(じしん、いわなだれ)がある → ワイドガード の方が適切な読み;
- どちらもない → そのまま おいかぜ を展開、1 ターン早く速度優位を確保。
連続使用は必ず失敗する。 まもる 系と同じく、連続使用は成功率が激減する。2 ターン連続のファストガードは相手にフリーターンをプレゼントするのと同義だ。Turn 2 は必ず攻撃、交代、または Tailwind に切り替えること。
シングルでは使わない。 ポケモンが 1 体のフォーマットでファストガードに意味はない。その枠は Protect か攻撃技に使え。
コツと戦術
初心者が最も犯しやすいミス:Incineroar を見たら毎ターン反射的にファストガード。
相手はそれを読んでくる。Turn 1 は予想通りねこだましを選び、こちらのガードは正解だった。しかし Turn 2 も同じくファストガードを選んだとき、相手は フレアドライブ でフルダメージを叩き込むか、すてゼリフ で相方の攻撃を下げて交代し、Turn 3 に再びねこだましを使う。2 ターン守り続けてアウトプットを 2 回丸ごと失い、試合は後手に回る。対策は相手の手札の確率を混ぜて考えること:Turn 1 のねこだましは高確率で来るが、Turn 2 以降のねこだましはその価値が大幅に落ちる。読みを固定するな、状況に応じて動きを変えろ。
指名カウンター:フェイント。
フェイントは優先度 +2 で、接触した瞬間にワイドガードとファストガードを貫通して破壊する。バリアを破られた後、そのターン中に味方は無防備になる。イッカネズミ(使用率約 24%)、ナゲツケサル(約 15%)、ブリガロン(約 13%)、デカヌチャン(約 10%)がまさにこの目的でフェイントを持つ。チームプレビューでフェイント使いを確認したら、ファストガードは「相手がそれを先発で出さない」と読める場合を除いて逆に足を引っ張る。ガードを捨てて素直にダメージを稼ぐ選択も十分ありだ。
ワイドガード との組み合わせ。
2 枚のバリアは守る方向が補完し合う:ファストガードは優先度技を止め、ワイドガードは全体技(じしん、いわなだれ など)を止める。ファイアロー は両方習得できるので、相手の構成に合わせて使い分けよう。じしんを軸にした構築が相手なら、大抵のターンはファストガードよりワイドガードの方が重要になる。癖でなく、相手が実際に何を脅威として押し付けてくるかで選べ。
止められないもの。 優先度 0 以下の技——トリックルーム、あてみなげ など——はバリアを素通りする。ふいうち は特殊ケースで、こちらがファストガードを使うとすいちゅうどんの発動条件(「相手が攻撃技を選択している」)が満たされなくなり、技自体が失敗する。ファストガードが「弾いた」のではなく、条件が成立しなかった——ロジックは違うが結果は同じだ。相手がそもそも打つかどうかを判断するときに、この違いが計算に影響する。