効果
ワイドガード は、そのターン中に自分のフィールドにいるポケモン全員を「全体技」——複数のポケモンを同時に狙う技——から守る。対象となる技は じしん、いわなだれ、ねっぷう、ふぶき、ほうでん、ふんか、しおふき など多岐にわたる。
なぜダブルバトルでこれほど重要なのか、数字で見てみよう。ガブリアス が じしん を使う場合:威力100、ダブルバトルの全体補正×0.75、STAB×1.5——実質威力は 100 × 0.75 × 1.5 = 112.5 になり、しかも自分のポケモン2体に同時に当たる。1ターンの ワイドガード で、この計算式をまるごと消せる。いわなだれ はさらに厄介だ:威力75に加えて怯み率30%、相手が2体いる場合に少なくとも1体が怯む確率は51%近くに達する——エースが怯めばそのターンの行動を丸ごと失う。ワイドガード はダメージを防ぐだけでなく、怯み確率もゼロにする。
優先度+3によって、ほぼすべての通常攻撃より先に発動する。ただし重要な制限がある:まもる・ワイドガード・ファストガード など全ての「守り系」技は失敗カウンターを共有している。連続して使うと次回の成功率が50%になる。また、ワイドガード は単体技から使用者を守らない——相手が直接使用者を狙えば無意味だ。そして フェイント だけが ワイドガード を貫通してバリアを解除できる唯一のカウンターとなる。
シングルバトルでは ワイドガード は完全に無意味——1対1では全体技が存在しない。これは純粋なダブルバトル専用ツールだ。
採用するポケモン
ワイドガード が向いているのは耐久型サポートポケモンだ。具体的には、直接狙われても耐えられる耐久力、毎ターン攻撃技を打つ必要のない役割、そして動きの遅さを優先度+3でカバーできる素早さが求められる。
採用率順の主なワイドガード使用者:
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ハガネール:採用率約85%。鋼/地面タイプで、自身の じしん が味方にも当たるというアイロニーから、ワイドガード の価値が二重に高い——相手の地震から味方を守りながら、自分が地震を打つ前の布石にもなる。がんじょう が単体狙いされたときの保険になり、ボディプレス で高い防御を活かした打点も確保できる。
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オニシズクモ:採用率約83%。耐久型の水/虫で、水全体技(しおふき)と地面コア(じしん)を一匹で受けられる。すいほう によってサポート以外の圧力も維持できる。
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キョジオーン:採用率約66%。しおづけ でじわじわ削り、じこさいせい で粘り、ワイドガード でソルトキュアが効くまで全体技によるチームの崩壊を防ぐ。3つの技が完結したサポート体系を形成している。
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ブリガロン:採用率約52%。ニードルガード と ワイドガード を交互に使うことで守り系の失敗確率を戦略的にコントロールできる——前者は単体技を防いで接触ダメージを返し、後者は全体技をカバーする。一種類の守り技だけより柔軟性が段違いだ。
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ペリッパー:採用率約44%。おいかぜ + ぼうふう + ワイドガード の3技で素早さ操作・全体打点・全体防御をひとつのポケモンに凝縮している。ダブルバトルで最もスロット効率の高いサポーターのひとつ。
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ドヒドイデ:採用率約41%。低速の毒タンク。全体技で一気に吹き飛ばされる前に どくどく のダメージが蓄積する余裕を ワイドガード が作り出す。
採用すべきでないタイプ:攻撃以外のターンを使う余裕のない紙耐久アタッカー、そして自分自身が全体技の使い手であるポケモン(まさに相手の ワイドガード で封じられる側になる)。
使い方
ワイドガード は読み合いのツールであって、押しっぱなしにする守りボタンではない。使うたびに相手が次に何をするか予測する必要がある。
典型的なターン展開:
Turn 1:相手が ガブリアス + ドリュウズ で先発——地震コアが丸見えだ。こちらが ワイドガード を選択、相手の じしん は全て空振り、こちらのポケモンはノーダメージ。
Turn 2:ワイドガード を見た相手は全体技を躊躇し、ワイドガード 使用者を直接狙う単体技に切り替えてくる。こちらの ワイドガード 使用者は まもる に変えるか攻撃に出て、相方は ねこだまし を打つか おいかぜ を積む——必要な猶予は確保できた。
Turn 3:相手が再び全体技を狙ってくる。もう一度 ワイドガード を使うか?失敗カウンターが重要になる:Turn 1に ワイドガード、Turn 2に まもる を使っていれば、Turn 3の ワイドガード は失敗率50%を抱える。交互に使っても失敗カウンターはリセットされない——守り系以外の技を使ったときのみリセットされる。この点を毎回の判断に組み込むこと。
引き付け技との連携:このゆびとまれ と いかりのこな が単体技をおとりに集め、ワイドガード が全体技をシャットアウトする。組み合わせることでほぼ全ての攻撃ルートを封じ、エースアタッカーに完全なフリーターンを渡せる。このリダイレクト+ワイドガードの構造は、ハイレベルなダブルバトルにおける最も定番の防御コンボのひとつだ。
おいかぜとの噛み合わせ:全体技主体の相手に対するTurn 1の最適解は、おいかぜ セッターが動きながら ワイドガード で開幕の全体技をブロックすること——ダメージを防ぎながら素早さ優位を確立する、2つのことを1ターンで同時に実現できる。
コツと戦術
守りのターンを計画する、反射的に押さない:ワイドガード と まもる は失敗カウンターを共有している。2ターン連続で守り系を使えば、2回目は失敗率50%になる。使う場面を事前に計算しておこう——相手が全体技を使いそうなターンを把握して、ワイドガード をそこに温存する。相手が単体技を使うターンに使ってしまうのは、フリーアクションを無駄にするのと同じだ。
よくあるミス——「全体技使いを見たら即ワイドガード」の反射行動:これが最もわかりやすい初心者の失敗だ。相手が ガブリアス を出してきたからすぐに ワイドガード を選ぶ——しかしそのターンのガブリアスは ドラゴンクロー で単体を狙うかもしれないし、相手が交代を選ぶかもしれない。1ターン無駄にした上で失敗率50%のペナルティを背負う。正しいアプローチは、パーティを見るだけでなく状況を読むこと。「相手には今このターンに全体技を打つ理由があるか?」を自問しよう。出てきたばかりなら、おそらくない。読みが本当に強いターンに ワイドガード を取っておくことが正解だ。
相手の全体技カタログを把握する:選出画面の時点で確認しておく。晴れパなら コータス の ふんか と補助の ねっぷう。地面コアなら じしん と隣に いわなだれ。あられ/雪天なら ユキノオー や バイバニラ の ふぶき。相手の全体技が多ければ多いほど ワイドガード の価値は上がる——全体技が4つもあるなら、使うたびに決定打になりうる。
対策手段と例外:
- フェイント(優先度+2):ワイドガード を貫通して解除し、同ターンの後続技を通してしまう。イッカネズミ、ナゲツケサル、グライオン はどれも フェイント の採用率が高い。これらが選出画面に見えたら、ワイドガード 一本で防衛ラインを組まないこと——バックアッププランが必要だ。
- 使用者への単体攻撃集中:ワイドガード は使用者自身への単体技を何も防がない。相手が ワイドガード 使用者の存在に気づいたら、単体技で直接狙って場から追い出しにかかることがある。
- 全体技に頼らない立ち回りへの切り替え:相手が ワイドガード を見て2ターン全体技を使わなければ、失敗カウンターを無駄に消耗することになる。優秀な ワイドガード 使用者は、ワイドガード を使わないターンにも存在感を示せる——ハガネール の ボディプレス 、ペリッパー の おいかぜ、キョジオーン の しおづけ ダメージがその例だ。