効果
ねこだまし はノーマルタイプの物理技で、威力40・先制技 +3、登場直後の1ターン目にしか使えない代わりに命中時100%でひるみを引き起こす(そのターン中は行動不能)。ひるみは状態異常ではないため、きのみで回復もできず、じゅうなんのような特性でも防げない。Championsでは全体的に状態異常が弱体化されており(まひによる完全停止は12.5%、ねむりは最大3ターンに短縮)、ねこだまし はその影響をまったく受けない。相対的に見て、信頼性はむしろ上がった。
威力40では大したダメージにならないが、それは本題ではない。たとえば ガオガエン で 能力ポイント を攻撃特化に振るとこうりょく実数値はおよそ152になり、基礎防御80の一般的な相手に対して ねこだまし で削れるHPは12〜15%前後だ。そのダメージが目的なのではない。狙いは「相手の1体を丸々1ターン何もさせない」こと、それだけだ。
その1ターンで何ができるか。トリックルーム の展開には丸々1ターンかかる。おいかぜ も同じ。メガシンカ は行動時に発動するため、邪魔されなければ進化と攻撃を同じターンにこなせる。ねこだまし はこれらすべてに対して、リスクゼロの実行窓を与える。相手の1体は行動不能、もう1体は隣のポケモンの全力攻撃か展開を受けるしかなく、分散もできない。アイテムも消費せず、エースのPPも使わずに、1ターン目の一方的な行動権を丸ごと手に入れるのが ねこだまし の本質だ。
シングルバトルでの価値はかなり低い。威力40ではまともなダメージを稼げないし、一度使うと次からは使えなくなって、一度引かないとリセットできない。局面によっては先発で削りや様子見に使えることもあるが、ダブルのような核心的な役割は担えない。
採用するポケモン
ガオガエン はダブルバトルにおける ねこだまし の代名詞的存在で、採用率は圧倒的に高い。理由は重ね合わせの強さにある。登場と同時に いかく が発動し、相手2体の攻撃を1段階下げる。そこへ ねこだまし で1体を行動不能にする。さらに すてゼリフ で引いて次の味方を呼び込み、再び いかく を発動させる。これで「攻撃ダウン・行動封じ・再び攻撃ダウン」という3段階の妨害を、2つの技で繰り出せる。消費するリソースはほぼゼロだ。
ガルーラ の ねこだまし には固有の強みがある。きもったま によってノーマルタイプの技がゴースト系にも命中するため、他の代表的な ねこだまし 使い(ガオガエン・オオニューラ・マニューラ)では絶対にひるみを与えられない相手にも通用する。相手の先発がゴーストタイプのとき、ねこだまし の脅威を維持できる唯一の選択肢が ガルーラ だ。後続の とっておき もプレッシャーになり、相手に判断を迫る。
オオニューラ は基礎素早さ120で大半の先発を自然に抜けるため、素早さに特別な投資をしなくても ねこだまし の先制が安定する。ガオガエン のような特性の重ねがけはないが、純粋な速さによる安定感が魅力で、インファイト や フェイタルクロー への流れも作りやすい。
マニューラ も同じ方向性だ。高い素早さと高い攻撃を活かして、ねこだまし から トリプルアクセル や はたきおとす につなぎ、即座にプレッシャーをかけられる。
デカヌチャン は ねこだまし から アンコール へのつなぎが光る。1体をひるませ、もう1体の技を アンコール で縛り、より無防備な方を デカハンマー で仕留める。ねこだまし はここで2体同時コントロールの引き金となる。
使い方
ダブルの基本先行テンポ
1ターン目:ガオガエン が最大の脅威に ねこだまし を打つ(ひるみ・行動不能)。隣の味方(たとえば コータス)がフルパワーの ふんか を全体に撃ち込む。相手の1体は完全に封じられ、もう1体は高威力の全体攻撃を受けるだけ。自分だけが自由に動いた状態で試合が始まる。
2ターン目:ガオガエン が すてゼリフ で引き、次のポケモンが出てきて再び いかく を発動。相手は自分のプランを実行する余裕なく、ひたすら対応を迫られる展開になる。
ねこだまし の回数リセット
ねこだまし は場に出た直後の1回しか使えないが、引いて再登場すればリセットされる。 ねこだまし 使いを複数採用することで、どれかが登場するたびに相手は「またひるみの脅威が来た」という圧迫感を受け続ける。上位帯では、ガオガエン が ねこだまし を使い切って すてゼリフ で退場した後、相手がようやく息をついたところに別の ねこだまし 使いが登場して再びひるみの脅威を与える、というパターンがよく見られる。複数体にわたってひるみのカウントを管理し続けるのが、完成度の高いダブルパーティの特徴だ。
Mega進化の護衛
相手の1体を ねこだまし で封じておけば、自分のMega進化ポケモンは同じターンに安全に進化して最初の攻撃を打てる。まもるを使う必要も、相手が突っ込んでくるリスクを計算する必要もない。最もコストのかからない、クリーンな進化機会だ。
シングルでの使い方
主な使い道は先発での削りと相手の出方読みだ。ピボット運用(引いて再登場でリセット)が組み込まれているなら連続プレッシャーになり得るが、シングルではあくまでニッチな技であり、パーティ構築の核にはなれない。
コツと戦術
ねこだまし の使用回数を数える
ダブルバトルの基礎意識だ。ねこだまし 使いが場に出て一度技を使ったら、引くまで次はない。相手も自分もそれは知っている。ガオガエン がまだ使っていなければ、いつでも飛んでくると警戒すべきだ。逆に使い終わった後は すてゼリフ か攻撃技しか打てない。そこが、ひるみで封じられるはずのポケモンを安全に投入したり、自分から仕掛けたりするタイミングになる。
初心者によくあるミス
相手の先発がゴーストタイプ(たとえば ドラパルト)なのに ガオガエン で ねこだまし を打ってしまうケースだ。ノーマルタイプの技はゴーストタイプに通らないため技が失敗し、相手には1ターン目を完全フリーで渡すことになる。対処法は 選出画面 の時点で相手の先発予測をしておくこと。ゴーストタイプが予想されるなら、きもったま 持ちの ガルーラ を先発に出すか、ねこだまし を諦めて ガオガエン に すてゼリフ か攻撃技を打たせる判断をする。
天敵と明確な例外
せいしんりょく と ふくつのこころ はひるみを完全無効化する。ねこだまし を打っても40ダメージだけで何も起きない。最もよく見る例は ルカリオ だ。これらの特性持ちは 選出画面 で必ず把握してから先発を決めること。
速度ミラー:両者ともに ねこだまし を持っている場合、素早さが上の方が先に動いて相手をひるませる。遅い側は自分の ねこだまし を使う前にひるんでしまい、技が無駄になる。遅い ねこだまし 使いは、相手の ねこだまし 使いに向けるのではなく、もう片方のスロットを狙う必要がある。
まけんき の罠:ねこだまし 自体は能力を下げないので、ドドゲザン 相手でも まけんき を発動させるリスクはない。ただし、ガオガエン が習慣的につなぐ すてゼリフ は ドドゲザン に攻撃+2を与えることになる。ドドゲザン が相手にいる場合、反射的に ねこだまし から すてゼリフ へつなぐのは危険だ。相手の勝ち筋を自分で強化することになりかねない。