効果
がんじょう には完全に独立した2つのルールがある。ひとつ目:持ち主がHP満タンのとき、どんな一撃でもHPがゼロになるはずならHP1に強制固定される――200%オーバーキルだろうと固定ダメージだろうと関係ない。ふたつ目:ぜったいれいど・じわれ・ハサミギロチン・つのドリル は持ち主のHPがいくらでも無条件で失敗する。
なぜ数字が重要なのか。Championsのダメージ乱数は85%〜100%(16段階)で、同じ計算でも最高と最低に15%の開きがある。物理攻撃130のオノノクスがインファイトでエアームドを狙う例で考えよう。乱数最低でもClose Combatはサーフライの満タンHPの200%超のダメージを出す。がんじょうなしなら一撃で沈む。だががんじょうがあればHP1で生き残り、まだ動ける。相手はそのターンの行動を「無駄打ち」にしてしまい、もう一度攻撃しなければならない。これが核心だ:本来1ターンで終わる話を最低2ターンの投資に変える、その間に自分は必ず1回行動できる。
きあいのタスキとの違いは2点。きあいのタスキは使い切り――発動したそのターンに消える。登場前にすなあらしなどでHPが削れていれば意味をなさない。がんじょうは永続特性で、はねやすめ・じこさいせい・たべのこしでHP100%に戻せば次のターンから保護が完全復活する。代わりに発動条件は厳しい――HP99%以下になった瞬間、シールドは完全にオフになる。
最大の天敵:かたやぶりとその派生 テラボルテージ・ターボブレイズ の3つは「防御特性を無視して技を発動する」。満タンのがんじょう持ちでもこれらの前では特性がないのと同じ扱いになり、普通に一撃で倒される。マッチアップを把握してから選出すること。
採用するポケモン
がんじょう の価値が最大化されるのは、「最初の1ターンの行動が絶対に必要」な強力なムーブを持ち、自身の耐久でHP1から相手の追撃を耐えられるポケモンだ。
- エアームド:飛/鋼タイプで地面の技を完全無効化するためじしんが当たらない。がんじょうで高威力の物理技を耐えた後、てっぺきかおいかぜを確実に打てる。Iron Defense2回からボディプレスは防御実数値で威力が上がり、大半の物理アタッカーを2発で倒せるようになる。シングル・ダブル両方でエース級の運用ができ、がんじょうの使い方として最もクリーンな実装のひとつ。
- トリデプス:防御・特防ともに高水準だが素早さが極端に低い。がんじょうなしなら行動前に沈む。あれば、ダブルでワイドガードを展開してパートナーを守ったり、シングルでステルスロックを設置したりできる。相手がバスチオドンを先に処理したければ2ターン必要になり、それだけ余裕が生まれる。
- ハガネール:ダブルではじしんが隣接する味方を巻き込むデメリットがある。がんじょうがあれば一撃で沈むはずの水技・炎技を耐えてそのターンにEQを打ち、次のターンに味方がワイドガードで自分を守る、という連携が成立する。噛み合いが非常に綺麗だ。
- クレベース:炎・格闘・鋼・岩がすべて4倍または2倍で入る氷タイプ。基礎防御184は規格外だが、行動前に炎技で一撃で倒されては何の意味もない。がんじょうがあれば1ターン保証され、ワイドガードかボディプレスを確実に放てる。弱点だらけのはずの存在をダブルの実力者に変える。
- ボスゴドラ:鋼/岩タイプで、地面か格闘に一撃で倒されるターンでもヘビーボンバーを1回保証する。ニッチだが確実に機能する。
使い方
シングルのターン管理:満タンで登場したら、この「行動保証」を確定リソースとして計画に組み込む。相手が即攻撃してくると読んだなら――高威力技を撃ってきたなら――HP1で生き残って行動できる。エアームドの定番ライン:相手がインファイトを打つ→サーフライHP1→てっぺきを使う。次のターン相手は防御2倍の壁に突撃するか(相手不利)、交代するか(こちらが無償強化)。どちらになっても自分が得をする構図だ。
HP1で生き残った後の判断ツリー:このターンに安全にはねやすめできるか、次のターンにも一撃で倒されないか。YESならルースト――HP満タンに戻りがんじょうがリセットされ、次の一撃も保証される。NOなら引いて後で満タンで登場し直す。HP1でだらだら粘るのは厳禁。やどりぎのタネ・すなあらし・やけど・どくなどのターン終了時ダメージは自分の行動後に処理されるため、がんじょうで耐えた後でもHP1を0にする。
ダブルのターン管理:もう1匹のポケモンと組み合わせることでがんじょうの恩恵が2倍になる。パートナーがこのゆびとまれかいかりのこなを使えば攻撃を引き受けてもらえ、自分は安全に積める。逆に、パートナーに向かう一撃必倒の攻撃を自分で受け、HP1で生き残りパートナーを守って両者行動する選択肢もある。判断基準:相手に全体技(いわなだれ・ふぶき)があるならHP1のターンはワイドガード優先、単体集中なら引き付け役に任せて自分は自由行動。
場合分けの指針:連続ヒット技(ロックブラスト・タネマシンガン)を持つ相手には真正面から受けない。1段目でがんじょうが発動しても2段目以降は普通に通るため、同じターン内に倒される。交代するか味方に先に処理させること。かたやぶり系ポケモン(オノノクス・ドリュウズ)が場にいるなら、がんじょうは無効として扱い特性がない前提でプランを立てる。
コツと戦術
シールドの循環:エアームドにたべのこしを持たせると毎ターン末にHPが少し回復する。HP1のターンにはねやすめすれば同ターン中に満タンに戻り、次ターンのがんじょうがリセットされる。相手の流れはこうなる:1ターン目に攻撃→HP1→こちらルースト(満タン復帰)、2ターン目に攻撃→HP1→こちらIron Defense、3ターン目に防御+2に突撃……2ターンごとに相手の「確定1発」が完全に無駄になる。長期戦では実質的に追加ターンをタダで手に入れているのと同じだ。
よくあるミスの解剖(初心者の落とし穴):最も頻発するがんじょうのミスは、ドリュウズが相手のパーティにいる状況でエアームドやハガネールを選出し、かたやぶりのアイアンヘッドに一撃で倒されるケース。根本原因は相手の特性を事前に確認していないことだ。モールドブレイカーは対戦中に画面上で告知されない。交代前にポケモンを見てどの特性を持ちうるか自分で判断する必要がある。対策:がんじょう持ちを出す前に相手の見せ合い済みパーティを確認し、かたやぶり・テラボルテージ・ターボブレイズのどれかを持ちうるポケモンがいないか確認する。オノノクス・ドリュウズ・クリムガン・ズガイドスラインが見えていれば、そのマッチではがんじょうは保険にならない。
がんじょうを破る4つのルート――チェックリスト:
- かたやぶり / テラボルテージ / ターボブレイズ――特性貫通。最も完全な解答。
- 連続ヒット技(ロックブラスト・タネマシンガン、2〜5回ヒット)――1段目で発動、残りのヒットが素通り、すべて同じターン内で完結。
- ターン終了時ダメージ(やどりぎのタネ・すなあらし・やけど・どく)――がんじょうは「技のダメージ」によるHPゼロだけを防ぐ。ターン末の削りは技ダメージではないためHP1がそのまま0になる。
- 場合によっては岩・トゲなどの突入ダメージ――攻撃を受ける前にHPが満タンでなくなればがんじょうはその一撃に対して完全に無効。
Championsのステータス仕様がんじょうを後押しする:まひの全停止確率は12.5%(通常の半分)、ねむりの継続は最大3ターン、こおりも3ターン上限。相手がでんじはやキノコのほうしでがんじょう持ちを止めてから複数ターンかけてシールドを削る戦術は安定しない――状態異常が早く解ける。結果として相手は直接的な複数ターンの物理圧力でがんじょうを崩しにくるパターンが多くなる。それはまさにがんじょう+回復技が最も得意とするシナリオだ。相手がじっくり崩しにくるなら、状態異常弱体化のおかげで相手のプランが先に息切れする。