効果
しんそく は威力80、優先度**+2**のノーマル物理技だ。一般的な先制技——アクアジェット、マッハパンチ、バレットパンチ、こおりのつぶて——はすべて+1止まりで、ふいうち も+1かつ発動条件付き。しんそくの+2は同ターン内でそれらすべての上に乗る形で先に動けるということで、二重の安全圏を手に入れられる:通常技より先に動けるうえ、他のすべての先制技ユーザーよりも先に動ける。
実数で見るとどういうことか。 Lv50 Mega ルカリオ(攻撃種族値145、SP 32)が ルカリオナイト を持っている場合を考えよう。ゼンブイリング 経由でメガシンカすると攻撃種族値が145に上がり、てきおうりょく が発動してノーマルのSTABが通常の1.5×から2×に跳ね上がる。しんそくの実質威力は80×2=160。ダメージは85〜100%の16段階で変動するため、約16回に1回は85%の最低乱数を引くが、実戦ではKO圏内に入った相手をほぼ確実に仕留められる。+2先制技でこの火力に届くものは他にない。
ひとつ絶対的な制限がある:ノーマル技はゴースト系に完全無効で、Champions には テラスタル もないためこの無効を試合中に回避する手段がない。ゲンガー や ギルガルド が出てきた瞬間、しんそくは完全に機能停止する。必ず別の手を用意しておくこと。
採用するポケモン
しんそくを覚えられるポケモンはごく限られており、その時点で採用候補は自然と絞られる。
カイリュー:攻撃種族値134、マルチスケイル 持ち。満HPのときに受ける最初のダメージを半減する(その攻撃の威力が実質×0.5になる)。実戦でのよくあるパターン:相手が高威力技で一撃を狙うがMultiscaleで耐え;次のターン、相手の素早さがどれほど高くても+2しんそくで先手を取って仕留める。シングルのエンドゲームでこのループは非常にきれいに決まる。ダブルでも引き寄せ技を受け流しながら先制圏を維持できる。
ウインディ:攻撃種族値110、いかく 持ち。交代で出た瞬間に相手の物理攻撃を1段階下げる(ダメージ倍率でおよそ×0.67)。その削り効果としんそくの先制〆を組み合わせることで、物理への抑制と先制フィニッシュを同時に担える。ダブルでは「威嚇でダメージを削り、後からしんそくで刈り取る」という役割分担が安定して機能する。
ルカリオ / Mega ルカリオ(ゼンブイリング + ルカリオナイト):メガシンカ前の攻撃種族値は110、メガシンカ後は145まで伸びてAdaptabilityも発動する。実質威力160・優先度+2のしんそくはシングルでもダブルでも強烈な圧力をかけるフィニッシャーだ。メガシンカのタイミングには注意が必要で、メガストーン を持たせた時点でアイテム枠が固定されるため、道具を絡めた戦略は覚悟を決めて使うこと。
使い方
シングル:メインの使い道はエンドゲームの〆だ。相手の最後の1体がKO圏内に入ったら、相手の素早さに関係なくしんそくで先に動いて試合を終わらせる。もうひとつよくある使い方:自分のポケモンが削られていて相手より遅い状況で、交代撃ちを受けるくらいならしんそくでダメージを確実に先に入れる方が得な場面がある。「当てて倒される」が「先に動かれて確実に倒される」より良いこともある。
ターンの流れ:相手の大技を まもる で回避→相手はHPを回復できずKO圏内のまま→次のターンしんそくで相手より先に動いて仕留める。このProtect→しんそくの2ターン完結は、シングルで最も信頼できる〆パターンのひとつだ。
ダブル:しんそくは単体を狙う技なので、ターゲット選びは慎重に。重要な仕様として、先制技は このゆびとまれ や いかりのこな による引き寄せを自然に無視する。相手が引き寄せ軸を組んでいても、しんそくで本当に倒したい相手を直接狙い撃ちにできる。ただし ファストガード は相手チーム全体の先制技を1ターン封じるため、盤面にQuick Guard使いがいるかどうかをしんそくに頼る前に必ず確認すること。
+2同士の速度決着:2体が同ターンに+2の先制技を使った場合、素早さが高い方が先に動く。しんそく軸を組む際も素早さを完全に捨てるのはNG。
コツと戦術
+1先制技を踏み越える読み合い:相手が マッハパンチ や アクアジェット で安全に先手を取って勝てると思って動いてきたところに、+2のしんそくが先に刺さる。これはエンドゲームの読み合いで最も直接的な流れの逆転になる場面のひとつだ。こちらがしんそくを持っていると知られているだけで、相手は自分の先制技の使い方をミスしやすくなる。
よくあるミスの解剖:初心者はしんそくを「何でも先手を取れる万能カード」として使いがちで、不利な場面に片っ端から打ち込もうとする。しかし実際の最大の落とし穴はゴースト系無効だ:ゲンガー や ギルガルド を後出しされてしんそくを吸われるのは相手に完全に無償の行動を与えることになる——こちらはターンを消費し、相手はダメージゼロでKOを狙ってくる。対策は、しんそく使いに必ずゴースト系をカバーできる技(格闘技、岩技など)を持たせることで、しんそく一本で全てを解決しようとしないことだ。
しんそくを潰す手段:テイルアーマー は優先度0超の技を全て無効にする。サイコメイカー によるサイコフィールド展開中は、地に足がついているポケモンに優先度が正の技が効かなくなる。ファストガード はダブルで相手チーム全体を1ターン先制技から守る。選出画面 でこれらを相手が持っていると分かったら、しんそくだけに〆を依存しないバックアップ手段を必ず用意すること。
努力値の振り方:能力ポイント は合計66、各ステータス上限32。しんそく使いは攻撃を32 SPに振り切ってダメージを最大化するのが基本だが、素早さを0にするのはよくある失敗だ。しんそく同士の鏡合わせでは+2 vs +2となり素早さで決着がつくため、素早さ0 SPでは毎回負ける。素早さに少し振るだけ(10〜16 SP程度)で先制ミラーを制せるうえ、攻撃のダメージ低下もわずかで済む。両方をバランスよく振ること。