効果
まけんき:自分の能力ランクが外部の原因で下がるたびに、攻撃が 2 段階上がる。「どの能力でも」が肝心で——すばやさ・とくこう・ぼうぎょが下がっても全部発動する。攻撃だけが対象じゃない。
数字で確認: いかく で攻撃が 1 段階下がり、まけんき が即座に 2 段階上げる。差し引きは +1。ランク +1 は攻撃力 ×1.5 倍。能力ポイント を最大まで振った Lv50 の ドドゲザン の攻撃は約 182——×1.5 で 273 になり、物理耐久が低めな中堅ポケモンの安全圏をざっと超える。
すてゼリフ は攻撃ととくこうを同時に下げる。これは別々の能力ダウンイベントが 2 回発生するので、まけんき が 2 回発動する。計算:招式側 −2 攻撃、Defiant 2 回で +4 攻撃=差し引き攻撃 +2 段階。つるぎのまい 1 回分と同じ上昇幅を、相手がピボットターンを消費しながらタダでくれる形だ。攻撃 +2 段階はダメージ計算上 ×2.0。
こごえるかぜ でのすばやさ低下も発動する。交代時に降りてくる ねばねばネット、エレキネット、わたほうし、フェザーダンス、いやなおと もすべて対象。相手が出す速度コントロールやデバフ手段が、そのままこちらの積み準備になる。
能力ポイント の振り方はシンプル:攻撃全振り(上限 32)。この特性を使う以上、物理路線で完結させる。
採用するポケモン
ドドゲザン:定番中の定番。あく/はがねタイプで すてゼリフ(あくタイプの変化技)を無効化できる——あの 2 回の能力ダウンは受けないが、いかく は普通に食らって発動する。いかく の多い環境では、相手が ガオガエン を出し入れするたびに ドドゲザン が無料で積み上がる。もう一方の特性 そうだいしょう と比べると、いかく が飛び交う環境での安定感は まけんき が上。そうだいしょう は倒れた味方の数に依存するため、タイミングをコントロールしにくい。
キリキザン(ドドゲザン の進化前):タイプは同じ、すばやさが少し高いが耐久は一段下。メガシンカ ルールでは持ち物が自由なので こだわりハチマキ を持てる——まけんき で差し引き +2 段階になったうえに こだわりハチマキ の ×1.5 が乗り、実質倍率はベースの約 ×3.0 近くに達する。これを正面から受けられるポケモンはほぼいない。
ウォーグル(霊獣フォルム):素の特性が まけんき、物理攻撃力も高め、すばやさは中速帯より上。4 倍弱点もなく、見た目以上に頑丈。いかく を 1 回もらえばそのまま全体への圧力になる。
ボルトロス(霊獣フォルム):霊獣フォルムは まけんき 固定。物理アタッカーとして でんじは を使えるのが特徴で、自分で相手のすばやさ低下状況を作れる——相手がそれを解消しようとすれば まけんき の餌になり、放置すれば縛りが続く。構造として噛み合っている。
テラキオン:種族値攻撃 129、いわ/かくとう STAB の範囲が広い。いかく を 1 回受けるだけで差し引き +1(×1.5)になり、インファイト の火力が一気に脅威圏に入る。すばやさ 108 はもともと速い部類で、こごえるかぜ を 1 発受けて +2 攻撃が乗れば、相手が想定するよりずっと早く掃除が終わる。
使い方
シングルの基本判断: まず相手パーティに ねばねばネット・すてゼリフ・こごえるかぜ 使いがいるか確認する。いれば まけんき 持ちを後ろに温存し、能力ダウンが発生するタイミングで後出しして発動を拾う。正面から当てに行くのは無駄。相手にデバフ手段が一切ないなら、この試合での まけんき は沈黙した特性に等しい——別の選択肢が機能するか考え直す価値がある。
ダブルの立ち回り原則: まけんき 持ちは いかく が発動する瞬間に場に出ていなければならない。事前でも事後でもダメ。相手が ガオガエン に交代すると読んだ瞬間に まけんき 持ちを繰り出す——ダウンに間に合うように動く。もう場に出ているなら居続ければいい、相手が ガオガエン を循環させるたびにこちらが得をする。
ターン進行の実例(ダブル):
- 自分:ドドゲザン + サポートポケモンが場にいる
- 相手:ガオガエン 交代→ いかく 発動→ まけんき 発動→ ドドゲザン 攻撃ランク差し引き +1
- 同ターン、ガオガエン が すてゼリフ で退場→ 攻撃ととくこうが各 1 低下→ まけんき がさらに 2 回発動→ 攻撃さらに差し引き +2(合計 +3)、とくこう −1(物理アタッカーには関係なし)
- 次のターン:ドドゲザン が アイアンヘッド か ふいうち を ×2.0 の倍率で打ち込む
メガシンカ ルールでは、メガポケモンは メガストーン が必須で他の道具を持てない。通常のポケモンは道具枠が空く——まけんき 持ちに こだわりハチマキ は最有力候補で、1〜2 回発動後の火力は耐性なしでは受け切れない。
コツと戦術
ランク上限の管理: 能力ランクの上限は +6。理論上、相手が ガオガエン を出し入れし続ければ攻撃 +6 まで積める——が、実際には相手も気づいて途中で止める。正しいのは +2 でもう攻撃に動くことで、+6 まで待つ必要はない。+2 段階で標準的な物理耐久は大体崩せる。
すてゼリフ の 2 回発動: すてゼリフ が まけんき を発動させることは知っていても、2 回発動することを見落としているプレイヤーが多い。能力ダウンが 2 回=まけんき 2 回=攻撃 +4。招式の −2 と合わせて差し引き +2 攻撃段階。相手はピボットを切ったつもりで、タダの つるぎのまい をくれた形になる。
ありがちなミスの解剖: 初心者が まけんき 持ちの ドドゲザン に対して エレキネット を使ってすばやさを縛ろうとするのは典型的なミス。すばやさ 1 段階低下→ まけんき 発動→ ドドゲザン が攻撃 +2 で殴ってくる。ドドゲザン はそもそも ふいうち の先制で仕事をするポケモンなので、すばやさ ×0.67 はほぼ無意味。正しい対処は特殊技での攻め。まけんき が上げるのは攻撃であってとくこうではない——特殊技のダメージはこの積みに一切影響されない。
対策と相性関係:
- クリアボディ / しろいけむり:能力ダウンを完全無効化するので、いかく の影響を受けない。こちらを前に出せば まけんき に発動の機会を与えずに圧をかけられる。
- ミラーアーマー(アーマーガア):能力ダウンを相手に跳ね返す。ミラーアーマー が いかく を反射した場合、まけんき 持ちの能力は実際には下がっていないため、まけんき は発動しない。このやり取りは頭に入れておく価値がある。
- やけど:やけどは物理ダメージを半減させるが、これはランク外の倍率補正であり能力ランクの変化ではない——まけんき は発動しない。誤解しているプレイヤーが多い重要な点で、おにび は まけんき を誘発せずに物理アタッカーを実質的に無力化できる手段の一つ。
- 純特殊アタッカー構成:攻撃段階の積みを丸ごとすり抜ける。特殊技で殴れる構成なら、まけんき の積み上げは関係なくなる——とくぼうが上がるわけでもないので。