基礎 · 毎ターン必ず行っているあの判断
毎ターン技を選ぶとき、頭の中で回っている問いは実はひとつだ——この技を打てば相手にしっかり刺さるのか、それともはじかれるのか。この読みが無意識にできるようになればなるほど、毎ターンの精度が上がる。この講座はそのセンスを前もって叩き込む。四十戦負け続けてようやく気づくことを、今ここで手に入れてほしい。
まず最小限のバージョンから入る。効果抜群(×2)で威力が2倍、効果がいまひとつ(×0.5)で威力が半分、無効(×0)でダメージゼロ。この3段階だけ頭に入れればすぐ使える。ここから一層ずつ深く掘り下げていく。それぞれ実際の例を添えるから、表を丸暗記しなくていい。
基礎 · 5段階の倍率、まず全部おさえろ
技が命中したとき、ダメージはこの5段階のどこかに落ちる:
- ×0(無効) — ダメージゼロ、ターンを丸々無駄にする
- ×0.25 — 二重に抵抗、ほぼかすり傷
- ×0.5(効果がいまひとつ) — 耐性あり、威力半減
- ×2(効果抜群) — 弱点を突いた、威力2倍
- ×4 — 二重弱点、威力4倍
最もわかりやすい×4の例:ガブリアス はドラゴン/じめんの複合タイプで、こおり技を受けると——こおり対ドラゴン×2、こおり対じめん×2、ふたつの倍率が掛け合わさって×4になる。「ガブリアス を見たらこおり技を考える」という話をよく聞くのはこういう理由だ。
一行の原則:技を出す前に倍率を確認しろ。×4なら試合を決められる。×0と知りながら打てば、相手にフリーターンをプレゼントするだけだ。
中級 · 複合タイプの重ね掛け——肝は「打ち消し」を理解すること
初心者がつまずくのは×4ではない。複合タイプのふたつの倍率が逆方向に引っ張り合うときだ。ルールはシンプル:方向に関係なく、両方の倍率を掛け合わせる。 3パターン全部を見分けられるようにしておこう。
パターン1、同じ方向に重なる → ×4 または ×0.25。 トリトドン(みず/じめん)がくさ技を受けた場合:くさ対みず×2、くさ対じめん×2 → ×4。逆に、リザードン(ほのお/ひこう)がくさ技を受けた場合:くさ対ほのお×0.5、くさ対ひこう×0.5 → ×0.25、ほぼダメージにならない。
パターン2、弱点と耐性が一つずつ → 打ち消されて×1。 トリトドン にほのお技:ほのお対みず×0.5、ほのお対じめん×1 → ×0.5(耐性どまり)。さらに本当の打ち消しの例:みず/くさの相手にでんき技——でんき対みず×2、でんき対くさ×0.5 → ×1。弱点を突いているはずが、実際は等倍になる。これが初心者が最も踏み抜くワナだ。弱点の半分だけ見て得したと思い込む、もう片方がちゃんと打ち消している。技を打つ前に必ず両方のタイプを確認しろ。
パターン3、片方が無効 → 全体がゼロになる、無効はすべてに勝る。 リザードン はほのお/ひこう。じめん技はほのおに対して×2のはずだが、ひこうはじめんに対して無効——×0が倍率全体をリセットする。じしんを打っても、ダメージはゼロだ。無効は常に優先される、相手の半分がどれだけ弱点でも関係ない。
よく出る無効をおさえておけば、最も痛い無駄ターンを防げる:
- じめん → ひこう(×0)
- ノーマル・かくとう → ゴースト(×0)
- ゴースト → ノーマル(×0)
- でんき → じめん(×0)
- どく → はがね(×0)
- ドラゴン → フェアリー(×0)
- エスパー → あく(×0)
これらはほとんど「タイプによる無効」で、ふゆう(ふゆう、じめん無効)のような「特性による無効」とは別物だ——特性側は次の講座で扱う。
中級 · タイプ一致ボーナス(STAB):タダでもらえる1.5倍
STAB(タイプ一致ボーナス、Same-Type Attack Bonus):自分のタイプと同じタイプの技を使うと、ダメージが自動的に**×1.5**になる。準備不要、条件なし、常に適用される。ほぼすべてのポケモンが自分のタイプの技を少なくとも1つ持っているのはこれが理由だ——何もしなくても出せる最大の火力の土台だから。
ガブリアス はドラゴン/じめんなので、じしん(じめん)はSTABを得る。こおりのキバ(こおり)は得ない。同じポケモン、同じターン、片方は1.5倍されて片方はされない。その差は歴然だ。
中級 · タイプ一致×弱点 → ×3、初心者が一撃でやられる理由
ふたつを掛け合わせよう。効果抜群(×2)+タイプ一致(×1.5)=実質**×3**。
実際の場面:ガブリアス がタイプ一致のじしんではがねタイプ(じめん弱点、×2)の相手を狙う。じしんの基本威力×1.5(タイプ一致)×2(相性)=基本の3倍だ。「なんであの技一発で落ちたんだ」という瞬間は、ほぼ確実にこのふたつのボーナスが重なっている。逆に自分がタイプ一致の弱点技を持っているときは迷わない——それがそのターンの最大火力だ。
中級 · 先に予測して、それから確認する
下を見るな。まず頭の中で計算して、それから答えを確認する。一度自分で考えることが、十回読むより身に付く。
第1問。 トリトドン(みず/じめん)の前に、くさタイプのポケモンがタイプ一致のくさ技を持っているとする。この技の相性倍率は?タイプ一致も含めると、基本威力の何倍になる?
答え → くさ対みず/じめん = ×2××2 = ×4、さらにくさタイプ一致×1.5 = 実質**×6**。これが「技一発で終わる」典型例——みず/じめんの相手を見たらくさを考えろ。
第2問。 リザードン(ほのお/ひこう)にじめん技を打ちたい。ほのおはじめんに弱い(×2)、打てそうに見えるが——実際の倍率は?
答え → ×0。ひこうはじめんに無効で、全体をゼロにする。ほのおの弱点側は一切関係なくなる。打ったら1ターン丸損——上で言った「無効はすべてに勝る」のワナそのものだ。
上級 · 防御タイプと攻撃タイプ:同じポケモンの2つの顔
この層では、「タイプ」を2つの役割に分けて考え始める必要がある。
攻撃タイプは技のタイプ——相手への倍率とタイプ一致の有無を決める。防御タイプはそのポケモン自身のタイプの組み合わせ——相手から何倍で叩かれるかを決める。ポケモンのタイプは、攻防両方の表で同時に機能していて、片方は長所、もう片方は弱点になることが多い。
リザードン はその生きた例だ。ひこうタイプは攻撃面でタイプ一致ひこう技を与え、防御面でじめん無効をもたらす(これは強み)。しかしほのお/ひこうの複合は防御面でいわに二重弱点をも生み出す——いわ対ほのお×2、いわ対ひこう×2 = ×4。だからいわタイプの設置技である ステルスロック(ステルスロック)が リザードン に対して特に凶悪なのだ。同じひこうタイプ——攻撃面では武器、防御面では弱点。構築するときも技を選ぶときも、この2つの顔を両方勘定に入れなければならない。
補足:大会ルールにおいて、対戦中に防御タイプを変更できる唯一のメカニズムはメガシンカ(メガシンカ)だ——一部のポケモンはメガシンカでタイプが変わり、弱点も再配置される。スカーレット・バイオレットのテラスタル(テラスタル)・Zワザ・ダイマックスは Champions には現在存在しない。つまり「タイプを変えて弱点を回避する」という選択肢は今のところメガシンカだけだ。SVの感覚で考えないようにしよう。
上級 · 「タイプ×タイプ一致×乱数」を一本の判断にまとめる
単一の倍率は計算できるようになった。しかし実際の出し手の判断は、数字ひとつではなく、複数を掛け合わせた連鎖だ。多くのプレイヤーは連鎖の半分しか解かないまま技を選んでいる。完全な連鎖はこうなる:
基本威力 × タイプ一致(×1.5)× 相性倍率 × ダメージ乱数 ×(特性補正)= この一撃の実際のダメージ幅
「ダメージ乱数」が重要だ:技が命中するたびに、ゲームは最大ダメージの85%〜100%の範囲でランダムに値を選ぶ——ちょうど16段階の等確率(これは「ダメージ計算の読み方」の講座で詳しく扱う)。だから計算ツールは「この技はXダメージ」とは絶対に言わない。「この技はこの幅で乱数が動く」と言い、確定数は確率で示される——**「16分の12で確定」**なら、16段階のうち12段階で相手を倒せて、残り4段階では相手が残って反撃してくるという意味だ。
一本通して見てみよう。ガブリアス のタイプ一致じしんで、等倍×1の物理アタッカーを落とそうとしている。計算ツールは「15/16で確定」と出た——ほぼ確実だが、1段階だけ届かない。ここで相手が いかく(いかく、場に出たとき自分の攻撃を1段階下げる)を持っていたとする。自分の15/16はいかく発動前の数値だ。いかくで攻撃が下がると、ダメージが落ちて9/16になるかもしれない。ここで初心者が最もよくやるミス:計算ツールの数値を見てそのまま突っ込み、いかくを再計算しない。 いかく持ちが見えたら、確定ラインを必ず再計算しろ。
ダブルバトルではもう一つ倍率が加わる。全体技(いわなだれ や ねっぷう など、両方の相手を同時に攻撃する技)はダブルで**×0.75**の補正が入る。シングルの計算ツールで「ちょうど確定」と出ても、全体技では実際は0.75倍で落としきれないことがある。1体に集中攻撃するときも、この×0.75を折り込んでから結論を出せ。
だから本当に質の高い出し手の判断は、この一連の流れになる:守備側の2つのタイプを掛け合わせて倍率を出す(無効と打ち消しに注意)→ 自分の技はタイプ一致を得るか → 全体技で×0.75が入るか → いかくで再計算が必要か → 計算ツールの16分の何かという確定確率を見て決断する。この連鎖を頭の中でスムーズに回せるようになれば、「相性表を暗記している」から「この一撃を計算できる」レベルへと進化したことになる。
上級 · ツールで曖昧な組み合わせを試して、曖昧でなくする
下のタイプ相性ツールを使って、さっき読んでいて少し考えてしまった組み合わせを選んでほしい——理想は「弱点と耐性が1つずつ」で打ち消されるタイプ複合だ。まず倍率を予測して、それから答えを表示しろ。 間違えた瞬間が、最も記憶に残る。
では、今すぐこれをやれ
借りてきたかレンタルしたチーム(スカウト牧場 のレンタル枠でいい)に戻って、具体的に3つのことをやれ。1つ目:各ポケモムの防御タイプ2つを確認して、よく使われるタイプに二重弱点を持つ個体を探す——特にいわやじめんなど設置系の技が持つタイプに注目しろ。2つ目:メインのアタッカーを取り上げて、タイプ一致弱点技が×3の帯に刺さる相手を見つけろ。3つ目:ダメージ計算ツール(/calc)を開いて、そのタイプ一致技を「確定で落とせる」と思っている相手に当てはめ、実際の16分の何かを確認しろ——おそらく1〜2つは想定と違う答えが出る。この3つを明確にしたら、次の試合の出し手は勘ではなくなる。