基礎 この授業が磨く対戦の判断
技を選ぶ瞬間、実は目に見えない選択をしている——自分のどのステータスからダメージが出て、相手のどのステータスで受けられるか。ルートを間違えると、タイプ相性がどれだけ良くても、数値がどれだけ高くても、ダメージはスカスカになる。しかもそのターン中には理由が見えない。「なんで全然削れないんだ」と感じるだけ。この授業は、構築や技選択の瞬間に正しいダメージルートを即座に固定するためのものだ。
基礎 最低限の正しいメンタルモデル
すべての技はちょうど3つの分類のどれか一つ。タイプの色だけ見ず、分類ラベルを読め:
- 物理(Physical) — 自分の攻撃(Atk)から出る;相手の防御(Def)で受けられる
- 特殊(Special) — 自分のとくこう(SpA)から出る;相手のとくぼう(SpD)で受けられる
- 変化(Status) — 直接ダメージなし;場の状態を変える(能力ダウン、フィールド展開、バフ/デバフ)
一言で:ダメージがどのルートを通るかは分類が決める、タイプではない。じめんタイプの技でも物理と特殊の両方があるし、ほのおタイプも同じだ。
中級 一緒に計算して、次は自分でやってみよう
ガブリアス は定番の失敗例だ——攻撃がアイデンティティで、とくこうはゴミ。Champions のルール下(Lv 50、個体値31固定、能力ポイント 合計66・各項目32上限)で攻撃に全振りすると、攻撃の実数値は180前後、とくこうは110ちょいにしかならない。
ここに同じ威力の技を2つ持たせてみよう(どちらも威力90、タイプ一致 で×1.5とする):
- 物理技のルート:ダメージ比 ≈ 180 ÷ 相手の防御
- 特殊技のルート:ダメージ比 ≈ 110 ÷ 相手のとくぼう
相手の防御ととくぼうが同じ数値でも、特殊技のダメージは物理技の約 110/180 ≈ 61% しか出ない。本来~80%削って12/16で確定1発だった相手が、特殊技に替えるだけで50%前後しか削れず、ほぼ落とせなくなる。少し削れなかっただけじゃない——ターンを丸々捨てたんだ。
今度は自分でやってみよう:サーナイト は逆のパターン——とくこうがアイデンティティで、攻撃は低い。誰かが物理技を持たせたとき、そのダメージはどのステータスから出る?正しくするにはどの分類の技を持たせるべき?(答えは下の「予想してから見る」セクションにある。)
中級 使うタイミングと判断:if-X-then-Y
- もしポケモンの攻撃がとくこうより大幅に高い(物理アタッカー)なら、ダメージ技はすべて物理で揃える;特殊技は補助用途のみ残す(例外は後述)。
- もしとくこうが攻撃より大幅に高い(特殊アタッカー)なら、逆にダメージ技はすべて特殊。
- もしどちらも低くない(稀な両刀型)なら、そのときだけ両ルートを混ぜることを考える——相手の片方の耐久を貫くために。
- もしダメージ計算中に技を変えたのに攻防の割り算を変えていないなら、止まれ——分類を間違えている可能性が高い。
中級/上級 シンプルなルールが崩れる場所(具体的な例外)
- フォトンゲイザー / てんこがすめつぼうのひかり:ラベルは特殊だが、実際には自分の攻撃ととくこうを比較して高いほうをルートとして使う。アイコンだけ見て判断してはいけない。
- ボディプレス:物理技だが、ダメージ計算に攻撃ではなく自分の防御を使う。受けポケモン専用の逆転の発想。
- イカサマ:物理技だが、使うのは相手の攻撃——自分の攻撃ステータスは無関係。
- Tera Blast のようなフォルム/ルール限定の技は Champions ランクマには存在しない(テラスタル はない)ので、間違った環境で覚えるな——ただし「分類は書き換えられる」という意識は持っておけ。
- 分類自体は変えないが計算の割り算を変えるもの:いかく は登場と同時に相手全体の攻撃を下げる——ダブルなら2体同時。物理技が急にスカスカに感じたら、まずこれを疑え。特殊技には何もしないので、特殊アタッカーはこの削りに対して完全耐性がある。
中級/上級 初心者のミス・解剖
ミス:「強いほのおタイプのポケモン」を見てほのお技を詰め込み、さらに強そうな技を一個追加——でもその技は特殊で、ポケモンは物理アタッカーだった。タイプは正解、分類が不正解、ダメージ半減。
なぜ起きるか:初心者は「タイプ」をダメージの大きさのスイッチだと思い、「攻撃/とくこう」を同じものだと扱う。実際にはタイプは相性倍率を管理するだけで、どのステータスを通るかを決めるのは分類だ。
修正法:技を選ぶ前にステータスを読む——攻撃ととくこう、どちらが高い?そのルートを固定して、技を追加するたびに「自分の強いルートを通っているか?」と問え。次に道具チェックを重ねる:こだわりハチマキ は攻撃×1.5だが最初に選んだ技に固定される;こだわりメガネ はそのとくこう版だ。物理アタッカーに Specs を持たせる(または特殊アタッカーに Band)のは、同じミスを別の形でやっているだけ。
中級 予想してから見る
問:さっきの サーナイト(とくこう高・攻撃低)に物理技を持たせたとする。そのダメージはどのステータスから出る?代わりにどの分類であるべきか?
<details>答:物理技は常に攻撃から出る——つまり Gardevoir の低い攻撃から出るので、ダメージはひどくスカスカになる。特殊アタッカーなので、ダメージ技は特殊にして高いとくこうを通すべきだ。判断の順番は常に:高いほうのステータスを読んでルートを決める→ルートに合った分類を選ぶ→最後にタイプを選ぶ。
</details>上級 今すぐやること
計算機 を開いて、実際に使っているパーティの全ポケモンにこの確認チェーンを走らせろ:
- ポケモンを一体選び、まず攻撃ととくこうを読む——物理アタッカーか特殊アタッカーか決める。
- 各技の分類ラベルを確認する:物理 / 特殊 / 変化。
- 「ルートが間違っている技」を探す——物理アタッカーの特殊ダメージ技、またはその逆。同じ相手に両方の分類を計算して、16段階のダメージ乱数の中で、間違ったルートの技の確定数がどれだけ落ちるか目で見る(例:13/16から4/16に落ちるとか)。
- ついでに道具も確認:Band/Specsが逆のルートについていないか。相手に いかく がいるなら、自分のアタッカーを1段階下げて物理技を再計算——確定圏が生き残るかどうか見る。
分類が間違っているか道具が逆のルートについているポケモンをすべてメモして直せ——このステップだけで、借りてきたパーティが見違えるように鋭くなることが多い。