基礎 Hook:今まさに見ているその1マス
相手2体は両方削れている。自分の ガブリアス はこのターン じしん で2体まとめて落とすか、ドラゴンクロー で1体を確実に倒すか。ダブルでは1試合に何十回もこの判断が来る。読みを外せば——全体技で2体とも生き残り、返しに集中砲火を受けてエースを失う。このレッスンは、技を選ぶ前に頭の中で結果まで計算できるようにするためのものだ。
基礎 Core:最小の正しいモデル
技が2体以上に同時に当たった瞬間、ダメージは自動的に ×0.75 になる。 バグではなく、ダブルの根幹ルールだ。
この逆算式を頭に焼き付けておこう:必要な火力 = 単体確定圏の火力 ÷ 0.75。 全体技で確定圏に入れるには、紙の上のダメージが単体より約33%高くないといけない(1 ÷ 0.75 ≈ 1.33)。シングルで培った「これで確実に1発」という感覚は、ダブルでは全部 ×0.75 してから判断し直す必要がある。
主な全体技:じしん(全員対象、味方含む)、いわなだれ(相手2体)、なみのり(相手2体+味方)、ねっぷう(相手2体)。
中級 Worked → Faded:実際にダメージを計算する
計算済みの例。 ガブリアス の じしん が満HP・防御が平凡な ヒードラン(地面4倍弱点)に当たる場合。単体時のダメージ乱数が満HPの96%–113%とすると——16段階の乱数で11段階がラインを超えるので、1体なら約 11/16 ≈ 69% で確定圏。
これがダブルで隣の1体にも当たる状況になると、全対象に ×0.75 がかかる:96% × 0.75 = 72%、113% × 0.75 = 85%。新しい乱数幅は72%–85%——最高乱数でも満HPに届かない。 確定圏は 11/16 から 0/16 に落ちる。あれだけ怖かった4倍弱点が、全体技にした瞬間ただの削りになる。
今度は自分で。 いわなだれ の単体計算でとある飛行タイプに90%–106%(約 7/16 で確定圏)と出た。ダブルで2体同時に当てたとき、まだ落とせる?各乱数に ×0.75 して天井を確認してみよう。(答え:106% × 0.75 ≈ 80%——最高乱数でも満HPに届かず 0/16。これも「倒せそうで実は削るだけ」のパターン。)
中級 When/Decision:全体技を選ぶ条件
このif-thenの流れで判断しよう:
- 割引後のダメージ(×0.75後)が2体ともKO圏に入るなら → 全体技を選べ。これがダブル最高の瞬間、同時撃墜だ。
- 割引後に1体は確定で落とせるが、もう1体は削るだけなら → 考えろ:その削れた1体、次のターンにこちらの駒を倒してくる?倒してくるなら単体技に切り替えて、脅威の大きい方を先に確実に落とす。
- 割引後に2体とも落とせないなら → 全体技で運ゲーするな。素直に単体集中で1体を確定圏に追い込め。
- 特例ボーナス:いわなだれ は30%のひるみが各対象ごとに独立判定。ダメージが足りなくても相手1体をひるませるだけで1ターン丸ごと稼げる——この場合の価値はダメージ欄にない。
中級/上級 Exceptions:シンプルなルールが崩れる場面
- 1体にしか当たらないときは割引なし。 相手の残りが1体、もしくはもう1体が飛行タイプで じしん を無効にしている——この場合は実質単体に当たるだけなので、ダメージは100%に戻る。0.75を掛けてしまわないように。
- じしん / なみのり は味方にも当たる。 飛行タイプ・ふゆう 持ち・ふうせん 所持のどれかでなければ、味方も75%の友軍砲火を受ける。地震使いの隣には必ず無効にできる味方を置いてパーティを組もう。
- メガシンカ で種族値が変わる——乱数を計算し直せ。 Champions では ゼンブイリング に メガストーン を持たせてメガシンカする(1パーティ1体)。メガ形態の攻撃/特攻はしばしばワンランク上がり、割引後のダメージがちょうどラインを超えることもある——メガシンカ前の数値で結論を出すな。
- 252振りの数値を流用するな。 Champions はLv50・個体値31固定・自由配分66ポイント(1項目上限32)。シングルの252振り前提の記事から持ってきた数値は高めに出る——必ずこのレギュレーションの数値で計算器を回し直せ。
中級/上級 Mistake-Autopsy:初心者が最もやられるあの負け
現場: 計算器(デフォルト単体)で じしん がその4倍弱点ポケモンに105%と出た。「4倍弱点なら余裕で確定」と思い、試合開始早々に全体地震で同時撃墜を狙う。結果——2体とも生き残り、耐久のない自分の味方は自分の技で75%削られ、相手の集中砲火でメガシンカエースが消える。
根本原因: 「単体105%」を「全体技でも105%」と読んでしまった。実際の数字:105% × 0.75 = 79%——KO圏にはほど遠い。
修正法: 必ず先に掛け算をしろ。全体技で複数対象に当てると気づいた瞬間、単体の数値を頭の中で ×0.75 してから判断する。単体105%は全体技なら79%——KO圏に入らない。逆から覚えるなら:全体技で確定圏に入れるには、単体の数値が 133% 以上 ないといけない。
中級 Predict-then-Reveal:選択前に自分で予測する
問: ねっぷう の単体計算で88%–104%、約 4/16 で確定圏。ダブルで相手2体に同時に当てたとき、どちらか1体でも落とせる可能性はある?
自分で計算してみよう:各乱数に ×0.75。
答え: 最高乱数 104% × 0.75 ≈ 78%——満HP天井にすら届かない。0/16、誰も落とせない。 これが「あともう少しに見えて実は全然届いていない」という初心者が最もはまる罠だ。88%–104% のような境界線上の乱数幅は、0.75の割引を受けた瞬間に完全に崩壊する。全体技で確定圏に入れたいなら、単体の乱数幅が丸ごと133%以上に乗っている必要がある。
上級 Now-Do-This:自分のパーティで実際に練習する
ダメージ計算器を開いて、実際のパーティでこの練習ループを回そう:
- パーティの全体技メインアタッカー(いわなだれ か じしん 使い)を選び、このレギュレーションの数値を設定する(Lv50 / 個体値31 / 66ポイント配分;メガシンカするならメガ形態に切り替える)。
- 単体モードで、よく当たる相手に対して乱数幅を計算し、「何段階が確定圏か(X/16)」を記録する。
- ダブル/全体技モードに切り替えて、割引後の乱数幅を見る——11/16 が 0/16 に崩れ落ちる様子を自分の目で確かめろ。
- 本当の課題:全体技で確定圏に入る条件を見つけろ。 攻撃/特攻への 能力ポイント 配分を増やす(またはより弱い対象を選ぶ)を繰り返し、割引後の最低乱数がラインを超えるまで(≥16/16)続ける。「割引込みで確定1発を取れる相手」を頭に叩き込んでおけば、次の試合でじしんを押す前からもう結果がわかっている。