基礎 Hook:このターン、本当に攻撃ボタンを押せるか
場に出ている自分の ドラパルト が、削られた相手の ガブリアス と向き合っている。このターンで倒したい——でも自分が先に動けるならの話だ。相手が先に動けば、倒れるのはこっちかもしれない。
その一瞬の判断が「速度コントロール」だ。「あとで覚える上級テクニック」じゃない。指示を入力するたびに頭の中で走らせる計算式だ。このレッスンでは、その計算を正確に回す方法を教える。
基礎 Core:行動順は三層判定、素早さだけじゃない
「素早さが高いほうが先に動く」と思ってる人が多い。それは違う。ゲームはこの順番で処理している:
- まず優先度を比べる。 優先度が高いわざは素早さに関係なく先に動く。まもる・ねこだまし・しんそく はいずれも通常より高い優先度を持つ。優先度が違う時点で、素早さの比較は入ってこない。
- 優先度が同じなら、素早さを比べる。 同一優先度の中では素早さの実数値が高いほうが先。
- フィールド効果が第2層を書き換える。 トリックルーム は「速いほうが先」を「遅いほうが先」に逆転させる。おいかぜ・弱体化技・まひは素早さの数値そのものを変える。
この順番を頭に入れておけば「こっちのほうが速いのになんで向こうが先に動いたんだ」という疑問は消える——まず九割方、相手が優先度わざを使っている。
中級 Worked → Faded:数字を出してみる
条件(どちらもLv50・素早さ個体値31・努力値252・加速補正の一般的な実数値):
- 自分の ドラパルト:素早さ 213
- 相手の ガブリアス:素早さ 169
同一優先度で 213 > 169、自分が先に動いて削れた ガブリアス を倒せる。ここまでは問題ない。
そこで相手が おいかぜ を展開した。 おいかぜは相手パーティ全体の素早さを2倍にする:169 × 2 = 338。338 > 213 になった瞬間、ガブリアス が上を取って先に動く。「確定で倒せる」と思っていた一手が、先に被弾することになる。これがおいかぜの全力——優先度には干渉せず、ただ第2層の素早さ数値を2倍に膨らませる。
あなたの番(Faded): 今度はこちらも おいかぜ を返したとする。自分の ドラパルト の素早さはいくつになる?どっちが先に動く?
自分で計算してから、下のPredict節で答え合わせをしよう。
中級 When/Decision:どれをいつ使うか
自分のパーティの素早さ構成に合ったツールを選ぶ。この if-then チェーンに従おう:
- もしメインアタッカーがもともと速い(素早さ 150+)のに一部の相手だけに抜かれているなら → おいかぜで既存の速度アドをさらに広げる。展開ターン含め4ターン、たいていそれで試合が決まる。
- もしコアが低速高火力(テツノカイナ 系)なら → トリックルーム を軸にして全体を逆転させ、遅いアタッカーを先に動かす。
- もし特定の1〜2体に対して1〜2ターンだけ上を取れればいいなら → こごえるかぜ や エレキネット を使う。フィールドを張る必要がなく、いつでも打てる。速度コントロールの「拳銃」的な存在だ。
- もし相手が トリックルーム を展開しようとしていて、こちらも持っているなら → こちらも打って打ち消す(2回目のトリックルームは1回目を無効にし、フィールドがリセットされる)。
中級/上級 Exceptions:シンプルなルールが崩れる場面
- 優先度はすべてに勝る。 おいかぜで 338 まで上げても無意味——相手の ねこだまし や ふいうち は先に当たる。第1層の優先度は常に素早さより先に処理される。
- トリックルーム下では、最も遅いポケモンが最初に動く。 そこで低速パーティに素早さを積むと逆効果になる。テツノカイナ 63 対 ガオガエン 80:通常は ガオガエン が先だが、トリックルームを展開すると 63 < 80 になるため テツノカイナ が先に動く。
- 本作でまひは弱体化された。 まひ の行動不能確率は 25% から 12.5% に下がった——まひで相手を縛る戦略はもう信頼できない。ただし素早さは依然として半減する:でんじは を ドラパルト に当てると 213 → 106 になり、ガブリアス の 169 より遅くなる。「弱体化技として使う」のは正しい。「行動ロックとして使う」と痛い目を見る。
- 同優先度・同素早さ → コイントス。 本当の速度タイは先後50%ずつ。それに勝敗を委ねてはいけない。
中級/上級 Mistake-Autopsy:初心者がよくやられる場面
症状: トリックルーム を展開したのに、そのターンに相手が先に動いて自分の テツノカイナ を倒された。
解剖: トリックルーム 自体の優先度は -7——ゲーム中で最低の優先度層だ。通常のわざの優先度は 0。つまり展開ターンに、相手の通常わざ(優先度 0)はトリックルーム(-7)より先に処理される——自分が速かろうと遅かろうと関係なく、相手は既に行動した後にトリックルームが発動する。トリックルームがパーティ全体を「遅い順」に変えるのは次のターンからだ。
対策: トリックルームを展開するポケモンには、まもる で守るパートナーを添えるか、そのターンのダメージを耐えられる耐久を確保する必要がある。展開ターンそのものに逆転を期待しないこと——その後のターンのための布石だ。
中級 Predict-then-Reveal:先に予想、それから答え合わせ
Q: さっきのFadedに戻ろう——自分の ドラパルト は 213 で、このターンにこちらも おいかぜ を展開した。両者おいかぜ状態、どっちが先に動く?
(まず自分で答えてから読み進めよう。)
A: 自分は 213 × 2 = 426、相手は 169 × 2 = 338。両方2倍になったが、比率は変わらず、426 > 338 で自分が先に動く。重要な直感:お互いにおいかぜ = どちらもおいかぜなし——素早さの差はそのまま比例して保たれる。おいかぜが本当に価値を持つのは片方だけが展開しているとき、あるいは本来超えられない速度の壁をひっくり返すために使うとき(169 の ガブリアス を 338 にして 213 を上回る、など)だ。
上級 Now-Do-This:自分のパーティで実際に計算する
素早さ計算機(CTA)を開いて、次のドリルをやってみよう:
- パーティの最速と最遅のポケモンの実際の素早さ実数値を入力する(Lv50、実際に振っている努力値で)。
- フィールドなしの状態で行動順を確認する。
- おいかぜ をONにする:最遅ポケモンが2倍になったとき、気になる相手の基準ライン(169 / 179 / 213 など)を超えられるかチェックする。
- トリックルーム に切り替える:行動順が丸ごと逆転する——逆転後のほうがパーティが動きやすいなら、そのパーティはトリックルーム向きだ。おいかぜを無理に使わなくていい。
- 最後に、最速ポケモンに でんじは が当たったと仮定して相手の素早さ実数値を半減させ、フィールドなし・1発の弱体化技だけで先手を取り返せるか確認する。
全部終わったら、この一文を即答できるはずだ:「このパーティの速度戦は、____ で勝つ。」答えられれば、このレッスンは合格だ。